sinboj_hedline.gif (1986 バイト)

シドニー五輪へ期待されるホープたち/女子ソフトボール カン・インスン選手(26)


 女子ソフトボール共和国代表のエース、カン・インスン選手(26)。昨年12月の第13回アジア競技大会(バンコク)では全7試合に登板し、4試合で完投。対南朝鮮戦では8奪三振、三塁を踏ませない力投で完封勝ちした。チームは初の国際試合ながら4位に入り、中国、日本、台湾、南朝鮮の「アジアの4強」の一角に食い込んだ。

 体を大きくひねって投げる独特のフォームから、最高時速98キロの速球を繰り出す。ソフトボールの場合、マウンドからホームベースまでの距離は14.02メートルで、野球の18.44メートルに比べて短い。それだけに、98キロは野球での140キロ台に相当する。持ち球はストレートだけではない。カーブ、チェンジアップ、バッターの手元で浮き上がるライズボールなど、多彩な変化球も強みだ。

 ハンドボールからソフトボールに転向したのは17歳の時。ハンドボールで培った投球術を駆使して、三振の山を築いた。

 「ピッチャーの魅力は奪三振」という彼女の考え方に変化が現れたのは、無理に三振を取りに行って打たれることが多くなってからだ。「バッターを力でねじふせることに限界を感じた」。悩んだ末、「ソフトボールは個人競技ではない。打たれてもバックが守ってくれる。仲間を信頼することが大切」との結論に達した。

 その後、狙ったコースに投げ分けるコントロールを磨き、試合でもそれまでの速球主体から変化球を織り混ぜたピッチングへと転換。国内では完全試合を3度も達成するまでに。「三振の数は減ったけど、今はチームの勝利が何よりうれしい」。

 「アジアで3位に入ればシドニー五輪への出場資格を得られる。そのためにも、3月のアジア選手権では強豪の台湾に一矢報いたい」(高)