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金剛山歌劇団民族器楽演奏会の最終公演、朝・日親善のステージに


 1月から都内5ヵ所で行われていた「金剛山歌劇団民族器楽演奏会―朝鮮の民族楽器による音楽の夕べ」の最終公演(17日、東京・文京区の文京シビックホール)は、朝・日親善のステージとなった。

 公演は、総聯東京の文・千支部主催によるもので同歌劇団と文京区民合唱団、グロリア女性合唱団が共演。同歌劇団が市民レベルで日本の合唱団と共演するのは初めてのことで「日朝友好の懸け橋になれば」との目的で企画された。同胞と日本市民ら390余人が観賞した。

 共演は、両合唱団を主宰する指揮者の二俣松四郎さん(73)と声楽家の宣子さん(70)夫妻が1月の民族器楽演奏会を聞いたことをきっかけに実現したもの。民族楽器の音色の豊かさ、演奏レベルの高さに驚いたという。

 「日朝関係の情勢は厳しいが、政治の世界に市民の声は届かない。隣国、隣人同士もっと仲良くすることが大切だ。音楽を通じて少しでも日本と朝鮮の距離が近くなれば」と話す夫妻には、以前から、日朝友好への特別な思い入れがあったという。宣子さんの姉が45年前に在日朝鮮人の男性と結婚し、共和国に渡り、現在も共和国に住んでいるからだ。

 宣子さんは「団員たちの方々の芸術に対する深い思い入れや内面の豊かさ、情緒豊かな演奏にとてもひかれた。親族の反対を押し切って共和国に渡った姉の気持ちが今なら良く分かります」と話していた。

 演奏会では、松四郎さんが日本人指揮者として初めて同劇団のタクトを振り、歌劇団の伴奏に合わせ、両合唱団が「さくら さくら」と「花」を歌った。また、宣子さんが松四郎さんの指揮で「浜辺の歌」を独唱した。

 二俣夫妻は「共演のチャンスを与えてくれた歌劇団に感謝の気持ちで一杯だ」と声を揃えていた。