シドニー五輪へ期待されるホープたち/女子重量挙げ リ・ヨンファ選手(24)
共和国女子重量挙げ界の第1人者、リ・ヨンファ選手(24)。1990年の世界選手権(ブルガリア)48キロ級で総合3位に入賞し、共和国に同種目初のメダルをもたらした。この活躍が評価され、翌91年2月16日には、女子重量挙げの選手としては初めて、功勲体育人の称号を授与された。その後も、93年のアジア選手権(中国)、96年の同選手権(日本)で金メダル、97年の世界選手権(タイ)で銅メダルに輝くなど、戦績は華々しい。
陸上の100メートル競技から転向。重量挙げに不可欠な瞬発力は短距離種目で培ってきただけに、見る見るうちにレベルアップを遂げた。現在の自己ベストは、スナッチ92キロ、ジャーク112.5キロだ。「重量挙げは『自分とのたたかい』という側面が他の競技以上に強い。0.5キロでも記録を更新した時の喜び、『自分とのたたかい』に勝った瞬間の感動が醍醐味」と語る。
昨年12月の第13回アジア競技大会(バンコク)では、階級を53キロ級に上げた。体調不良だったこともあって5位にとどまったが、「自己ベストを出したとしてもせいぜい2位止まりだったと思う」と語る。タイやインドネシア、ミャンマーなど、アジア各国の選手が力を付け、全体のレベルもずいぶん底上げされたので、容易に勝つのは難しいという。
本当は「昨年のアジア大会を最後に引退すると決めていた」そうだ。しかし、その大会で結果を出せなかったのが心残りとなり、「このまま終われない」と、「最後の挑戦」を一つ先送りした。2000年のシドニー五輪である。今回から女子重量挙げが五輪の正式種目となるだけに、「頑張って自分のレベルを今以上に上げ、共和国女子重量挙げ界初の金メダリストになりたい」と意気込む。(高)