総聯中央委員会第18期第2回会議での総聯中央常任委員会報告
「新たな環境に即して今年、総聯の大衆的地盤を一層強化し、生活と権利を守るための大衆的愛国運動を全同胞的に力強く繰り広げることについて」(要旨)
徐萬述第1副議長
総聯中央委員会第18期第2回会議で徐萬述第1副議長が行った総聯中央常任委員会報告「新たな環境に即して今年、総聯の大衆的地盤を一層強化し、生活と権利を守るための大衆的愛国運動を全同胞的に力強く繰り広げることについて」の要旨は次のとおり。
総聯第18回全体大会が開かれてから10ヵ月。この期間は、祖国と総聯の愛国事業、在日同胞の生活において、過去に例のない重要な歴史的期間であった。
昨年9月、朝鮮人民は金日成主席を共和国の永遠の主席に戴き、金正日総書記を国家の最高職責に推戴した。チュチェ偉業とともに在日朝鮮人運動は総書記の思想と指導を全面的に具現する歴史の新時代、金正日時代の新たな高い段階に入った。
一方でこの期間、内外反動による悪らつな反共和国、反総聯策動が敢行され、日本では経済不況と金融不安が続き、総聯活動と同胞の生活には前例のない困難な環境がもたらされた。
このように激動する歴史的期間、われわれは総書記に従う一心団結の力で、度重なる困難を主動的に克服し、力強くたたかいながら前進し、貴重な成果と経験を収めた。
今年は、総聯18全大会方針を執行するうえで決定的な前進をもたらすべき重要な年だ。
総書記の思想と指導で勝利を勝ち取っていく新時代の要求から見ても、続く緊張した情勢と在日同胞社会の変化から見ても、今年、われわれは総聯の活動を画期的に発展させるための突破口を開かなくてはならない。今こそ、祖国人民の強盛大国建設の総進軍に歩調を合わせ、総聯の全組織と活動家、広範な在日同胞が総聯の活動で新たな転換と飛躍をもたらすための大衆的愛国運動にこぞって立ち上がる時である。
このような要求のもとに招集された今回の中央委員会の目的は次の二つだ。
第1に、全活動家と広範な同胞を、総書記を高く戴き従う事業に奮い立たせることである。
第2に、新たな環境に即し、民族性を守り生活と権利を擁護するための大衆的愛国運動を全同胞あげて力強く展開して、総聯の大衆的地盤をより強化するための課題と具体的対策を討議決定することである。
今日の会議は、1900年代最後の年である今年を、在日朝鮮人運動で総書記の思想と指導をより輝かしく具現する意義深い歴史の年とし、総聯を真の同胞大衆組織に強化して愛国事業で新たな大衆的高揚を起こすステップとなる年にするための、大きな契機となるだろう。
金正日総書記は今年初め、長い間培ってきた遠大な構想を打ち出し、強盛大国建設への総進軍を全人民に呼びかけた。
しかし振り返れば、主席の逝去後5年間のたたかいはまさに艱難辛苦と試練に満ちたものであった。
米国をはじめとする国際反動は、社会主義を固守するわが国を圧殺しようと攻撃の矛先を集中させ、戦争騒動と封鎖策動を繰り広げた。さらに数年続いた自然災害は、朝鮮人民に言い表せない苦痛を強いた。
しかし、英知と胆力を兼ね備えた総書記は、不眠不休の精力的な指導で「苦難の行軍」と強行軍を陣頭で指揮して祖国と民族を危機から救い、強盛大国建設の新時代を切り開くための確固たる土台を築いた。
新年から祖国は偉大な前進で沸いており、飛躍と革新の熱風が起きている。
現在、祖国の各地では10余基の大規模発電所と数千基の中小型発電所建設が進められており、電力問題の解決に展望が見えてきた。電気と石炭の問題が徐々に解決するにともない、各地の工場、企業所が正常に稼働し新たな生産の高揚が起きており、黄海製鉄連合企業所では朝鮮式酸素熱法で鉄の生産を始めた。
とくに、ジャガイモ農業革命によって2毛作が大々的に行われ、土地整理事業も全国的に進み、在日同胞の愛国至誠がこもった複合微生物肥料が実績を上げ、食糧問題解決への確固たる展望が開かれつつある。
祖国の人民が希望に満ちた未来に向かって転換の道に入ったように、われわれも新たな活気と信念にあふれ、総聯活動をより高い段階に引き上げなくてはならない。
自己の領袖、自己の指導者を忠誠で戴くのは総聯と在日同胞の愛国の伝統、業績であり、すべての試練と難関を克服し勝利と前進の前途を切り開く愛国運動の根本問題である。さらに、総書記だけを信じ従えば必ず勝利するということは、内外反動の反共和国、反総聯策動が頂点に達した近年の厳しい愛国闘争の過程で体得したわれわれの最も貴重な真理である。
歴史的な今年、主席に対する永遠の敬慕と総書記に対する限りない忠誠心を込め、全機関と同胞家庭に主席と総書記の肖像画をより丁重に掲げる。
祖国の運命を救い、強盛大国建設の前途を開いた総書記の偉大性と業績に対する宣伝教育活動を、生きた現実と展望をもって幅広く行なわなくてはならない。主席を永遠の国家主席に高く戴いて迎える4月の太陽節と主席の逝去5周年を機に、全同胞をあげて総書記の偉大性と業績を学ぶ運動を多彩な形式と方法で集中的に繰り広げていく。
また、祖国訪問事業を大々的に計画し、多くの同胞が強盛大国建設に立ち上がった祖国の熱気と息吹を直接目撃し体験することで、総書記の偉大性と富強繁栄する祖国の未来に対する信念をより固めていく。
総聯活動で新たな転換と力強い前進の道を開くためには、総聯を幅広い大衆的地盤を持つ同胞組織に強化発展させるための18全大会決定を、徹底的に貫徹しなくてはならない。
われわれは、今年を総聯の大衆的地盤を強化する年に定めた。総聯の大衆的地盤を強化するということは、活動家と広範な在日同胞が互いに固く信頼し合い一心同体となった同胞組織として、総聯を一層拡大発展させることをいう。
今後、総聯活動と同胞生活の明るい前途を切り拓いていくための確固たる保証は、総聯組織、活動家、同胞の渾然一体、幅広い大衆的地盤を一層力強く築くことにある。
現在、同胞社会と同胞たちの生活で、これまでになかった変化が起きている。
最も憂慮すべき問題は、同胞たちの間で民族性を喪失していく傾向が日増しに濃くなっていることだ。民族性は在日同胞が団体所属を越え、老若男女すべてが民族愛と同胞愛で団結した同胞社会を築くための根本的な土台である。愛国愛族の先駆者である総聯は、民族性固守の旗をより高く掲げ、このための運動に各界各層の同胞を最大限、広範に呼び起こさなければならない。
現在、新たな環境の中で緊急かつ切実に提起される問題は、同胞たちの企業と生活を守ることだ。
内外反動の反共和国、反総聯策動、続く日本の不況と金融不安は、同胞たちの企業と生活をかつてないほど大きく脅かしている。
総聯活動と同胞の生活環境で起きている新たな変化を直視し、民族性を固守して生活と権利を擁護するための大衆運動を全同胞的に力強く推進すべきだ。この運動には総聯だけでなく民団、未組織、帰化した同胞も含めた在日同胞の過半数を網羅する目標を掲げ、大衆的地盤を決定的に拡大強化しなくてはならない。
全組織、全活動家と熱誠同胞は、「新たな環境に即して民族性を守り、生活と権利を擁護するための大衆的愛国運動を力強く繰り広げよう!」というスローガンを掲げ、一つになって立ち上がろう。
このような同胞大衆運動での課題と対策について、次のように提起したい。
第1に、民族教育事業を中心に、在日同胞の間で民族性を守るための運動をより力強く、より幅広く繰り広げなくてはならない。
現在、民族教育で最も大きな力を注ぐべきは、各級学校と幼稚班により多くの同胞子女を受け入れることだ。各本部と支部、学校では、対象となる同胞子女を探し出して教育宣伝活動を力強く繰り広げなくてはならない。とくに、女性同盟が5月に大阪で開く第5回オモニ大会と、青商会が7月に兵庫で行う「ウリ民族フォーラム99」を、民族性を守り、民族教育運動を大衆的に繰り広げていく大きな契機とすべきだろう。
朝鮮大学校をはじめ各級学校の教育の質を一段と高め、朝鮮学校を、朝鮮民族の固有な伝統を守り、民族的情緒溢れる拠点として整えなくてはならない。
朝鮮学校の強化発展で重要なことは、全同胞的な運動として学校運営の自立的土台をしっかりと築くことである。全組織と活動家、各校のアボジ会、オモニ会、各種同窓会組織の会員はもちろん、民団、未組織、帰化同胞、ひいては日本人にも広くアピールし、学校を愛する運動と朝鮮学校支援運動を様々な形態で広範に行うべきだ。
民族教育に対する日本当局の差別政策の不当性を日本社会と国際世論に広く知らせるための活動もより力強く行い、教育助成金の増額をはじめ教育権利擁護拡大で新たな前進をもたらさなくてはならない。
民族教育運動で今年、大きな力を注がなくてはならないもう一つの課題は、日本学校に通う同胞子女への民族性教育をより拡大することだ。
日本学校の中に設ける民族学級の数をもっと増やし、午後・夜間学校、土曜児童教室などの非正規教育網も拡大し、日校在学朝鮮学生会の活動も一層活発に行うべきだろう。
同胞たちの間で民族性を守り、継承していくために次に重要なのは、成人教育事業と文化・スポーツ事業により多くの同胞たちを網羅することである。
総聯の各支部では女性同盟をはじめ全団体を動員し、これまでの成人学校を各種の文化教室や民族講座などの形式に発展させ、対象の特性に合わせて運営しなくてはならない。朝青では青年学校、サマースクールをはじめ様々な形式で、新世代の間で民族性を養う場を積極的に設けなくてはならない。
すべての同胞知識人と文化人は知識と能力を発揮し、同胞たちの民族性を育む成人教育と民族性啓蒙活動に立ち上がるべきだろう。
在日同胞の過半数を愛国愛族運動に網羅し、彼らの間で民族性を継承していくには、同胞文化・スポーツ事業を決定的に強化する必要がある。
すべての支部と分会では、各種文化、スポーツサークルをもっとたくさん設けて活発に運営し、各種の文化イベント、スポーツ大会などを年間を通じて多彩に企画し、同胞たちの民族的な結びつきを強め、同胞社会がいつも賑わうようにすべきだろう。
金剛山歌劇団と地方朝鮮歌舞団、地方体育協会と各種目別競技協会の活動をもっと押し立てる一方、過去に芸術団体やスポーツ団体での活動経験を持つ同胞専門家、愛好家らが、自己の才能を引き続き開花させながら民族性を守るための愛国事業に誇り高く寄与できるようにする。
同胞芸術家と体育人が国際舞台に進出する場は一層増えている。各界各層の同胞芸術家と体育人を幅広く結集させ、彼らが祖国と民族の栄誉、在日同胞の愛国愛族の精神を世界に轟かせるよう、これからもバックアップしていく。
総聯の出版報道物は同胞たちの間で民族性を育み、互いの絆を強める力ある手段であり、同胞の親しい友人、道案内人である。朝鮮新報と月刊誌「イオ」が同胞たちの愛情と支持を受け、広く普及、愛読されるための活動を、全機関的に力強く繰り広げていく。
第2に、生活と権利を守る活動に、全組織と同胞たちの団結した力を総動員しなくてはならない。
総聯の基本階層であり、在日朝鮮人運動の主力である同胞商工人が企業活動で大きな困難を経ている今、総聯のすべての組織と力量を動員し、彼らを誠心誠意で助けていく。
同胞商工人の税金問題の公正な解決のための既得権を固守し、企業権を擁護、拡大するための活動を、同胞商工人自身の大衆運動として展開する。
商工会の活動家と熱意ある商工人が力を合わせて「4万人同胞商工人訪問談話運動」を力強く展開し、それに基づいて9月、同胞商工人の諸権利を守り、拡大するためのシンポジウムを開く予定だ。
商工団体はまた、朝鮮料理業、遊技業、生産加工業、土木建築業をはじめとした業種別協議会を全国と地方ブロック、県と地域単位ごとに作り、経営セミナーや集中講座、経験・情報交換会などをたくさん開いていくべきだ。7月には遊技業経営者による全国規模のセミナーを開き、その経営協力のための情報提供システムも新たに打ち出す。
さらに、今秋開設を目標に「同胞経済研究所」(仮称)の準備を進める。「同胞経済研究所」では、変化する経済環境と同胞商工人のニーズに即して経済動向、業界動向、経営ノウハウを研究、分析し、情報と資料を提供して、同胞商工人の企業活動をバックアップできるようにする。
同胞商工人の最大の悩みの一つ、資金問題解決により多くの組織的力量を傾け、あらゆる可能性を探し出して制度融資の紹介、斡旋をはじめ、融資を受けられるようにするための活動を積極的に進める。
朝信協と各朝銀信用組合では、困難かつ複雑な日本の金融環境に主導的に対応するために、グループ内の合併、組織再編成事業を長年にわたり慎重に研究し、プランを立てている。
次に、総聯各級機関と大衆団体、医協と人権協会、経済機関の力を集め、同胞生活奉仕活動システムを一層しっかり整え、結婚、就職、高齢者と障害者の福祉問題など、同胞たちの切実な生活上のニーズに応えていく。
総聯は近年、同胞結婚相談事業システムをしっかり整え、同胞社会と各家庭の切実なニーズを満たすうえで多くの成果をあげてきた。総聯の全組織と活動家は、相談所の「チョンシルホンシル」会員数をもっと増やし、同胞たちの民族結婚成就のための事業をより大きく発展させなくてはならない。
同胞社会で就職問題がより切実な問題として提起されている現実に対処し、今秋、総聯の各機関と団体、事業体、教育機関が協力する「在日同胞就職情報センター」を設立する。就職情報センターは今後、総聯の組織網を使って同胞と企業の情報を集めてそのニーズを結び付けるため、就職情報紙・誌などの情報資料を提供し、セミナーなどを開いていく。
また高齢化社会のニーズに沿って、同胞高齢者の生活奉仕に力を入れていく。大阪の老人保健施設「ハーモニー共和」などで得た経験、ノウハウを一般化し、同胞たちが生き生きとした老後を送れるようにするための事業、医療や介護など生活上の便宜を図る事業を組織的に行っていく。
また同胞障害者とその家族、福祉問題に関心のある同胞たちを幅広く網羅し、親ぼくを深め、支援をするための同胞福祉連絡会のような組織も作っていく。
総聯は、福祉問題の専門家、有資格者の育成事業にも大きな関心を向ける一方、同胞たちが集住する地域に高齢者と障害者のための常設的な休息の場や自立支援のための作業所などの施設を設けるための事業を組織的に進めていく。
同胞高齢者、障害者に対する年金差別に反対し、外国人登録法の抜本改正を求めるたたかいや、日本国籍を離脱し共和国国籍を取得するための事業など、未解決の権利課題を実現するための大衆運動を引き続き強く行っていく。
金剛保険株式会社の役割を一層高め、各級組織が同胞たちの保険の面での権益を守るための活動を機関化、大衆化し、同胞たちにより立派に奉仕していく。
こうして民族性固守、生活と権利擁護を中心に大衆運動を力強く押し進める一方で、共和国の強盛大国建設と統一偉業に寄与する活動や対外活動にも、同胞たちの高い愛国心と団結力を呼び起こしていく。
とくに対外活動では、支部と学校を拠点に同胞たちの民族的自主権と生活上の権益を守るための地方自治体の行政や議会、諸団体との活動、地域住民との親善交流活動を精力的に繰り広げていく。「参政権」を求める地方議会決議と法制化に反対する対外活動も引き続き力強く展開する。
今年、同胞大衆との活動を決定的に強化し、大衆運動を力強く繰り広げていくには、何よりも活動家が決心を新たにし、活動スタイルから大きく転換しなくてはならない。活動家は、同胞たちと苦楽を共にしながら困難で大変な問題に率先して取り組み、自分の責任のもとで解決していく同胞たちの真の忠僕、有能な同胞生活の服務者とならなくてはならない。
同胞たちを大衆運動に呼び起こし、愛国事業を高揚させるためのすべての活動は、支部を拠点にして行う。支部は、管下の同胞たちとつながりを持ち、彼らを結集させるための具体的な対策と大衆運動を同胞自身の運動として組織し、進めるための方法論を打ち立て、愛国活動をたゆみなく行わなくてはならない。
大衆運動を力強く繰り広げ、各界各層同胞を結集させるためには、団体と事業体の役割を決定的に高めなくてはならない。
朝青と青商会、留学同は、核となる層を拡大、強化し、より幅広い青年とつながりを持つ運動を多彩に繰り広げ、同盟員、会員の数を決定的に増やすべきだ。
女性同盟は、若い同胞女性を主役により多くの同胞女性を幅広く結集させ、民族性、生活と権利を守る運動が、家庭と地域同胞社会で力強く行われるよう大きな役割を果たさなくてはならない。
商工会をはじめすべての大衆団体も、同胞たちの民族性と権利を守るための活動を大胆に行うべきだ。
10月、総聯第19回分会熱誠者大会が開かれる。
今回の分会熱誠者大会の主な目的は、在日朝鮮人運動の新たな時代、新たな環境のニーズに合わせて分会をはじめとした基層組織の大衆運動で新たな転換を起こし、総聯を広範な大衆の中に根を下ろした強力な同胞大衆組織に発展させるための重要な契機をもたらそうというものだ。世代交代が進んで活動環境が大きく変わり、大衆運動に対する同胞たちのニーズが多様化している現実に即して、これまで行ってきた「愛国栄誉旗獲得運動」を「愛国愛族分会創造運動」に発展させる。
総聯第19回分会熱誠者大会を目指して「みんなが『愛国愛族分会創造運動』に力強く奮起しよう!」とのスローガンのもと、各分会ごとに「愛国愛族分会」作りの運動を力強く展開していこう。