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春の高校サッカー/課題多い朝高サッカー部


 全国選手権の常連校など強豪校が集まることで、高校サッカー界の春の恒例行事としてすっかり定着した東京のイギョラカップと広島のピョンファ杯。両大会とも、試合のチャンスの少なかった朝高サッカー部に日本の強豪校との試合の場を提供すると同時に、サッカーを通じて朝・日親善を図ろうと朝高サッカー部OBや後援者らが始めたものだ。朝高サッカー部の活躍の場が広がった今、両大会は朝・日の各校が、3年生が引退して始動したばかりの新チームの仕上がりを確認する絶好の場となっており、高校サッカー関係者らの注目を集めている。

 

イギョラ杯/戦術スタイル確立を

 20〜22日に行われたイギョラカップでは、初日に4組に分かれて予選リーグが、2、3日目に各順位別に順位トーナメント戦が行われた。

 東京朝高は、予選リーグ初戦で秋田商業を2―0で下したが、2試合目の県立鹿島とは0―0で引き分け。辛うじて1位で予選リーグを突破した。

 翌日、清水市立商業との準決勝では前半に2点を先制され、続く後半戦でも1点も返せず0―4で終わった。

 最終日、昨年と同じ顔合わせとなった帝京との3位決定戦。東京朝高は前半無失点のまま迎えた後半13、29分に連続失点した後、帝京陣に切り込み1点を返して追撃に転じたが、1―2で惜敗。4位に甘んじた。

 今年の東京朝高チームについて関係者らは「選手たちの闘志が空回りしている。戦略面でスタイルが確立されていない」と厳しい見方を示す。

 とくに、清水商業との準決勝戦では、相手チームが前へ前へと前進するのに比べて終始消極的な姿勢だった。さらに、ファーストパスミスなどの基本的な細かいミスが目立ち、相手チームに大量得点を許した。

 しかし、3位決定戦では今年の全国選手権優勝校の帝京を相手に果敢に攻め込み、左のウィングを生かしたスピーディーな攻撃で1点を奪うなどの底力も見せた。今後、戦略を磨いて東京朝高のスタイルを確立し、精神力を一層鍛えることが課題となるだろう。(貴)

 

ピョンファ杯/執念、闘志、精神面課題

 24〜25日に行われたピョンファ杯では、初日に3チームずつ4組に分かれて予選リーグが、2日目に各順位別に順位トーナメント戦が行われた。

 大阪朝高は予選リーグで、安芸府中(広島)に3―0、大社(島根)に5―1とそれぞれ快勝し、準決勝に進んだ。準決勝では皆実(広島)に0―2で惜敗したが、3位決定戦では強豪の多々良学園(山口)を5―2で下し3位に入った。

 金正海監督は、今大会での成果は13得点したことだと指摘しながらも、「勝利への執念や闘志などの精神面を鍛え、インターハイ出場を果たしたい」と語った。

 一方、主力メンバーの半数が新1年生という新チームで臨んだ広島朝高。結果的には全敗だったが、予選リーグでは準優勝の岡山作陽と1点差の接戦を繰り広げるなど、成果もあった。

 高隆志監督は「内容は決して悪くなかった。組織的ディフェンスの構築、基礎体力の育成など、解決すべき課題が明確になり、今後の明るい展望が開けた」と話していた。(瑟)