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「目指すは共和国代表」/重量挙げ全国高校選抜優勝の朴徳貴選手


 第14回全国高校ウエイトリフティング選抜大会(3月27〜28日・倉敷)で、北海道朝鮮初中高級学校の朴徳貴選手(高1)が優勝した。今後の目標も「高校新記録」「共和国代表」と大きいが、なみいる強豪を退け、1年生にして金メダルを手にした朴選手の、一層の成長と活躍が期待される。

 競技大会ではトータルの記録を競い合うが、かといって自分の記録更新だけを考えていては「勝ち」は望めない。優勝を目指して順位を上げるには、ライバルたちがどれ位の重さに挑戦するかを横目でにらみながら、どういうタイミングでより重い重量に挑戦し、成功させるかの駆け引きが重要になる。

 各クラスの選手名簿は、地方予選での記録順に組まれる。朴選手は94キロ級で唯一の1年生ながら、上から3番目。メダルは、この予選上位3人で争われる展開となった。

 競技は、まずスナッチで3回の試技を行い、次にジャークを3回行う。

 同大会までの朴選手の自己記録は、地方予選で出したスナッチ107.5キロ、ジャーク135キロ。そこで今回は、まずはスナッチ105キロ、ジャーク135キロと無理のない重量で着実に成功させ、2回目の試技では両方とも一気に7.5キロ増加。これを成功させた。

 両方とも3回目の試技(スナッチ117.5キロ、ジャーク145キロ)は失敗したが、この間にほかの2選手はより小刻みな重量増加で失敗。朴選手の優勝が確定していた。

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 こうした駆け引きの強さは、金尋監督らバックアップ陣の采配によるところが大きい。しかし、それが奏功するかどうかは本人の勝負強さ次第だ。

 気合いを入れるために奇声を発し試技に臨む選手が多い中で、朴選手は終始無言。傍目には淡々として見えるが、本人曰く「内側で闘志をメラメラ燃やすタイプ」なのだそうだ。衆人環視の大会での競技もプレッシャーは感じず、かえって力がでるという。

 競技後には、「大会前は目標は3位と言っていたけど、本当は優勝を狙っていた」「早い時期に日本高校記録を塗り替えたい」「共和国代表になり五輪に出たい」などと意欲的な言葉が次から次へと飛び出した。

 こうした強気な表情が見られる一方、大会前の2日間は緊張で体調を崩し体重が5キロも減ったという。

 金監督は、「共和国代表を狙える素質はある。ただしそのためには、厳しい生活管理と重いプレッシャー、もっとキツイ練習に耐えねばならない」と話す。

 朴選手が今後も、目標を着実にクリアしながら、一層大きな舞台で活躍することを期待したい。