時事・解説/地方経済発展と郡政権機関

　共和国最高人民会議常任委員会および内閣機関紙、民主朝鮮３月１９日付は、地方経済を発展させ人民生活を向上させるうえで、郡政権機関が果たすべき役割に関する黄海北道金川郡人民委員会のユン・フィスン委員長の論文を掲載した。その主な内容を紹介する。

黄海北道金川郡人民委員長の論文/民主朝鮮

国の繁栄に貢献する

　地方経済を発展させるうえで郡政権機関の役割を高めることは、郡内の農業、地方工業、地方建設、商業、貿易などをしっかりと管理・運営し、人民生活を向上させて国の繁栄に貢献することである。

　党の意図どおり、郡政権機関の役割を高めて地方経済を発展させることは、郡政権機関が戸主としての本分を果たすための重要な要求である。

　第１の本分は、人民生活に責任を負いそれを支援することだ。人民生活の向上は、国家的な供給とともに、地方経済を発展させて物質的需要を保障することによって保証される。

　地方経済は郡政権機関によって管理・運営される。郡政権機関が国家の２００分の１地域（共和国は全２００郡）の暮らしに責任を持つ戸主としての本分を自覚し、責任性と創造性を高く発揮して地方経済を立派に管理・運営する時、生産と建設が画期的に増え、生産と消費、蓄積の均衡が保たれ、人民生活は限りなく高まる。

潜在力を最大利用

　郡政権機関の役割を高めることは、明確な目標のもとに地方経済の発展を積極的に推進するための重要な要求である。

　郡政権機関が地方経済を発展させるための正確な目標をもって計画し、実践してこそ、地域内のすべての源泉と潜在力を最大限合理的に動員､利用して､地方経済をもう１段高い水準に引き上げ、消費財生産を画期的に伸ばすことができる。

　今年、金川郡人民委員会では、人民生活を安定・向上させるうえで画期的な転換をもたらすため、農業部門ではジャガイモ前作栽培面積を協同農場の分組ごとに１ヘクタール、小麦、大麦の栽培面積は昨年よりも２倍にそれぞれ増やし、食糧問題をより円満に解決する。工業部門では既存設備をフル稼働させ、消費財生産を昨年比１．５倍に高める。地方建設建材部門では地方資源に依拠してセメントなどの建材生産を約２倍に増やし、貿易を多角的に行って郡にない原料と資材を補充することにした。

　この膨大な課題を遂行するため金川郡人民委員会は、昨年末と年始に地方経済各部門の生産の実態、とくに労力と設備、原料、資材の稼働と利用状況などを具体的に把握した。そのうえで燃料､エネルギー､原料問題の解決に集中的に力を入れることにした。このような計画に基づき現在、郡内８ヵ所に中小型発電所を建設し、○内地区の（○は山へんに見）超無煙炭鉱の生産能力を２倍に拡張し、２０ヘクタールの塩田を建設する事業を推進している。

　次に関心を払った問題は、地方経済各部門と単位ができるだけ自立できるようにすることだった。委員会では、外部からの資材、原料に多くを依存していた栄誉軍人日用品工場、鉄製日用品工場、紙工場などで自力更生の精神を発揮。郡内の自然資源、農副産物、廃棄物などを利用して生産を行う模範をつくりあげた。これらの経験を一般化して原料、資材、燃料、エネルギー問題を１００％自力で解決した工場、企業所が半数以上に達した。

　われわれは地方経済を発展させる任務の重要性を深く自覚し、英知と情熱を尽くして仕事をし、実質的成果をもって強盛大国建設に貢献していく。

地方人民委員会の任務と権限

　【解説】昨年９月に修正・補充された社会主義憲法１３９条によれば、道（直轄市）、市（区域）、郡人民委員会は、当該人民会議休会中の地方主権機関であり、当該地方主権の行政的執行機関である。また第１４１条では地方人民委員会の任務と権限について、当該地方のすべての行政事業を組織し執行する、地方の人民経済発展計画を作成しその執行対策を立てる、地方予算を編成しその執行対策を立てると規定。さらに第１４６条では、地方人民委員会は上級人民委員会と内閣に服従するとしている。

　一方、共和国では消費財の生産において、大規模の中央直轄工業と中小規模の地方工業を並行して発展させる方針を打ち出している。

　地方工業の特徴は、（１）地方の自然資材、中央直轄の工場や企業所、農場の生産過程で出る副産物や廃棄物などをリサイクルして、各種消費財を生産して地方の物質的需要を満たす（２）国家の投資に頼らず消費財を生産することで、国家が重工業により多くの投資をできるようにする（３）商品をより多く生産することで地方ごとの均衡を保つ――ことなどである。例えば、平安北道昌城郡では、織物、被服、婦人・子ども服、製紙、鉛筆、家具、金属製日用品、食品、毛皮加工、トウモロコシ加工など各種工場での製品生産を行うことで地方における物質的需要供給を保証している。

　このようにして郡政権機関が地方経済を責任を持って発展させ、物質的需要を満たすなどして人民生活を安定・向上させれば、国家の負担を減らしながら国の繁栄に貢献することができる。