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大阪で共和国支援の舞踊公演「春風に乗せて」


 度重なる自然災害と食料不足に苦しむ共和国の子供たちを支援しようと、大阪府下の朝鮮舞踊愛好家らが1日、チャリティー公演「春風に乗せて」を大阪市の森ノ宮ピロティーホールで行った。1000余人の同胞、日本市民らが観覧、150万円の支援金が集まった。実行委員会では、支援金で米と粉ミルクを買い、4月末に共和国に送る予定だ。

 チャリティー公演のアイデアは、3年前から夏に行われてきた、共和国舞踊講師らによる講習を通じて交流を深めていた愛好家らが、「今度はこちらが共和国を手助けしよう」と思い立った。

 文芸同大阪支部舞踊部、大阪朝鮮歌舞団、姜輝鮮朝鮮舞踊団narusae、MAI朝鮮舞踊研究所、各地域の朝青・女性同盟舞踊サークル、朝鮮学校舞踊部など、12団体が昨年九月に実行委員会をつくり、半年にわたり練習、宣伝、チケット販売などの準備を進めて来た。

 公演には、総勢167人が出演。MAI朝鮮舞踊研究所による群舞「しだれ柳」で幕を上げ、「楽しい通学路」(西大阪初級)、「ソゴの舞」(中西舞踊サークル)、「ウリチュム、ウリチャンダン春風に乗せて」(全出演者)などが次々披露された。

 とくに、この日のために創作された水害支援活動を題材にした「私たちのできること」(大阪朝高舞踊部)と、統一への思いを込めた「兄弟星」(姜輝鮮舞踊団)は、出演者らの祖国と民族に対する深い思いを、観客に余すところなく伝えた。

 大阪朝鮮歌舞団による司会も時に観客の笑いを誘い、会場全体が和やかで一体感のある雰囲気に包まれた。

 フィナーレでは、舞台の前まで進み出て、近くに置かれた募金箱に義援金を入れる人の姿も少なくなく、記念品の模擬店では、共和国製の人形が10万円分も売れたという。

 公演を見たキム・ユンゴンさん(78)は、「踊りのひとつひとつから、共和国の子供を思う気持ちが、どんな言葉よりも強く伝わって来た」と話す。

 実行委員長を務めた文芸同大阪支部の任秀香舞踊部長は「私たちには大きなことはできないとしても、見に来た人が、共和国の子供のためにチケットを買って良かった、自分にも出来ることがある、と思ってくれれば何より」と話していた。