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時事・解説/「北南労働者サッカー大会」開催合意


 
朝鮮職業総同盟(職総)と全国民主労働組合総連盟(民主労総)は2日、「統一念願 北南(南北)労働者サッカー大会」の開催で合意した。その意義について見た。(根)

 

民主労総も積極的

 民主労総は昨年11月に、南北労働者の連帯強化のため、サッカー大会を開く意向を表明していた。今年3月には李奎宰副委員長兼統一委員長が会見し、同月4〜5日に北京で、職総と「分断後初の南北労働者会談」(ハンギョレ新聞)を開き、サッカー大会開催問題を中心に交流方案を論議したと明らかにした。

 民主労総の発表によると、会談では、7・4共同声明が発表された7月4日などの「意味ある節目の日」に、平壌とソウルで大会を開催することや、労働者の相互訪問を実現すること、この問題を論議するため、4月に平壌で実務会談を開くことなどで合意したという。

 そして、4月27日から今月4日まで、李・統一委員長と趙俊虎統一委員が訪北し、職総との間で2日、開催合意に至った。合意内容は6日発朝鮮中央通信を通じて発表され、南でも5日に発表された。

 李・統一委員長は平壌に着いた際、民族の和解と大団結、祖国統一のために、南北の労働者階級が会うことができたと述べ、統一への積極的な意志を示した。

 大会は今年8月10日に平壌、来年8月にはソウルで催される。南北間では90年10月、平壌とソウルで南北代表チームによる「南北統一サッカー競技」が催されたことがある。

 

全同胞の往来・接触を

 金正日総書記は、98年4月18日付書簡「全民族が大団結して祖国の自主的平和統一を成し遂げよう」で、民族大団結5大方針を示し、「わが民族の内部にたとえ思想と理念、政見と信仰において差異があっても、北と南、海外のすべての同胞が自由に往来し接触し、対話をし、連帯・連合を強化していけば、相互の理解と信頼を厚くし、民族共同の目的のために志と力を合わせることができます」と指摘した。

 南北の労働者が南北を往き来して交流することは、民族の和解と団結、統一の実現につながる、大きな意味を持つのだ。

 

金剛山観光に次ぐ

 今回の合意の意義については、2つの側面から捉えることができる。

 一つは、南北民間級交流の促進という点だ。

 南北間では昨年6月、南の財閥トップ、現代グループの鄭周永名誉会長一行が板門店経由で訪北した際に、金剛山観光事業など10項目の南北経済交流を行うことで北側と合意した。11月には金剛山観光第1陣が出発し、現在も月1万人のペースで参加者が増加、観光事業は順調に進んでいる。

 金剛山観光事業をはじめ、南北間の一連の経済協力事業は「民間級交流の模範」と評価されており、サッカー大会はこれに次ぐ民間級交流と言える。

 もう一つの点は、時期的な意味合いだ。

 大会は平壌、ソウルのいずれも8月15日を前後して催される。この日は、祖国解放という、民族にとって大きな意味を持つ日である。90年からは毎年、北と南、海外の全同胞が一堂に会して、祖国の平和と統一のための汎民族大会が催されている。

 このような時期に、南北の労働者が交流することには、これを通じて民族が団結し、統一実現につなげたいとの思いが込められており、統一促進に大きく寄与するものとなろう。