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金剛山歌劇団全国ツアー初日/埼玉公演


 金剛山歌劇団99年度本公演・全国ツアーが14日の埼玉公演から始まった。

 公演は、第1部が歌と器楽演奏、第2部は舞踊の2部構成で行われる。

 初日の埼玉公演の第1部は、民族打楽器を加えたバンドによる幻想的なインストナンバーで始まった。終盤でホーンセクション、男女5人の歌手が登場し、そのまま歌謡曲タッチの混成5重唱「心馳せて」に入る。いずれも同劇団の若手メンバーだ。

 1部のラストを飾ったチャンセナプ2重奏「リョンガンキナリ」は、バックバンドを従えた若手の男性演奏家2人がチャンセナプを演奏するスタイルで、民族的なものと現代的なものをうまく融合させ、効果をあげていた。迫力満点の演奏に、会場からは大きな拍手があがった。

 第2部では古来の宮廷舞踊をアレンジした優雅で華やかな「慶汗衫(キョンハンサム)」、ユーモラスな「朝鮮将棋の舞」、勇壮な「剣の舞」、植民地時代の名曲に乗せた哀感溢れる「鳳仙花」、躍動感いっぱいの「寺堂舞」などの舞踊が披露され、フィナーレはお馴染みの「農楽舞」でしめた。途中、同歌劇団舞踊部長による朝鮮舞踊に関する説明と基本動作の紹介もあった。

 今年の本公演で注目されるのは、第一部で活躍した新しい編成のバックバンド。エレキギター、ベース、ドラム、キーボードに各種の民族打楽器を加え、チャンダン(朝鮮半島固有のリズム)の今日的表現を可能にしている。初日のためか、まだまだ堅さが見られる演目もあったが、年末までの全国ツアーの過程で観客の反応を見ながら変更も加えていく予定で、今後も一層洗練された舞台を見せてくれるだろう。