視点
米国の対共和国政策の見直しを進めるペリー政策調整官が、その概要を共和国に説明するため月末にも訪朝するという。
訪朝後、クリントン大統領に政策見直し報告を提出する。当初は提出後に訪朝する予定だったが、共和国に非公式に打診したところ「最後通告のような訪問は受けられない」との姿勢だったため、提出前に繰り上げたという(朝日新聞13日付)。
当然だろう。ペリー訪朝については、本欄3月5日付で「どうせなら報告書作成前に訪朝するほうがベターだろう。結果を持って説明してもそれは押し付けになりかねないからだ」と指摘したことがある。その通りになった。
ペリー訪朝を前に朝米間では様々な動きがある。朝鮮戦争時の米兵遺骨返還(14日)、カートマン朝鮮半島和平担当大使の訪朝(14日)、金倉里訪問の米実務代表団の訪朝(18日)などだ。カートマン訪朝は昨年11月の第1回地下施設協議以来で、ペリー訪朝問題も協議するという。
ペリー氏は前国防長官で、昨年11月にクリントン大統領から調整官に任命された、いわば「大統領特使」。訪朝時の会談相手は未定だが、朝米間の対話レベルが上がることは確かだ。これが朝鮮半島の緊張緩和に弾みをつけ、朝米関係の新局面を切り開くことになれば幸いである。
それは南北間の対話再開の動きや、朝・日間の関係改善にも肯定要素となって必然的につながろう。(喜)