今年の予算執行のため内閣が決定を採択/民主朝鮮
民主朝鮮4月29日付によると、内閣では最近、4月7〜9日に開かれた最高人民会議第10期第2回会議で、法令として採択された今年の国家予算を執行するための決定を採択した。
同紙は、今年の国家予算が「党の路線と方針を徹底的に貫徹し、共和国の社会主義を擁護固守してより輝かせ、強盛大国を建設するうえで転換を起こすために必要な資金を円滑に保障する」ためのものだとしている。
また決定は、今年の国家予算を正確に執行することが、国の政治軍事的、経済的威力を十分に強化するために重要な要求であると強調した。内閣の決定内容について紹介する。
中央・地方別に具体化
決定はまず、今年の国家予算を中央・地方別に具体化した「チュチェ88(1999)年国家予算案」を承認し、これに基づいて省、中央機関、当該機関で市、郡別、機関、企業所別に財政計画を分けて下達し、昨年の国家予算執行状況を総括して今年の国家予算執行のための対策を立てることについての課題を示した。
次に、経済の全部門、全単位で生産を正常化し、国家予算歳入計画を滞りなく遂行することについて指摘した。
これと関連しては、省、中央機関、道、市、郡人民委員会と当該機関で潜在的な生産力と内部予備を使って原料、資材、労力、資金を効果的に利用するための作戦と指揮体系を正しく立て、国家予算歳入計画を月、分期別に滞りなく遂行する点について強調し、具体的課題と方途を示した。
建設に必要な資金保障
また、決定は社会主義強盛大国の建設に必要な資金を正確に保障することについて指摘した。
これと関連しては、財政省をはじめ当該機関で国の政治軍事的威力を強化するために必要な資金を優先的に保障しながら、農業の生産を伸ばし、電力工業などの基幹工業の生産を自己の軌道にしっかりと乗せ、重要対象を建設し、軽工業部門で消費財生産を増やすのに必要な資金を円滑に保障することについて強調した。
また、科学技術を発展させるとともに、教育、文学芸術、保健、スポーツなど社会主義文化建設の全部門で新たな転換を起こすために必要な資金を随時保障することについて指摘している。
地方歳入予算増やす
次に、党の地方予算制方針を徹底的に貫徹し、地方の予算歳入を積極的に増やす点について指摘しながら、財政省と地方人民委員会などで地方予算制規定の要求と財政の唯一管理制原則に沿って地方予算歳入を増やすための課題を具体的に示した。
これと関連しては、国家計画委員会、財政省をはじめとする当該機関が経済活動で実利を保障できるよう計画指標を定め、事業計画を正しく立て、計画実行評価を財政計画実行と結び付けて行う問題、独立採算制と半独立採算制に基づく企業所を増設し、これらの企業所で原単位の消費基準を決定的に下げる問題などの課題と方途を具体的に示した。
最後に、財政規律と財政検閲に対する統制を強化する点について指摘しながら、省、中央機関と地方政権機関が、すべての機関、企業所で国家の法規範と規定に沿って財政活動を行い、日別生産及び財政の総括を制度化することをはじめ、財政規律を厳格に打ち立てる課題を示している。
【注】 最高人民会議第10期第2回会議では5年ぶりに国家予算が審議され、昨年の予算執行を決算し今年の予算を採択した。今年の国家予算の歳入、歳出総額はそれぞれ203億8172万ウォンで、電力工業と農業に最大限の比重をあてるとしている。一方、国防費の歳出総額に占める比率は14.5%。昨年9月の最高人民会議第10期第1回会議で政務院から改められた内閣は「国の経済司令部」と位置付けられており、このところ、経済問題に関する重要な決定はすべて内閣が行っている。