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常時携帯義務の廃止を/総聯中央同胞生活局長、外登法改定案参院可決で


 朝鮮総聯中央の柳光守同胞生活局長は20日、参院法務委員会が同日、外国人登録法改定案を一部修正のうえ可決したことと関連し、コメントを発表した。

 政府提出の改定案は、指紋押捺制度全廃、永住者の登録事項から「職業」「勤務先などの名称、所在地」の削除、登録切替期間の延長(5年ごとから7年ごとに)などが主な内容。修正案ではさらに、特別永住者が登録証の常時携帯義務に違反した場合の罰則を刑事罰の「20万円以下の罰金」から行政罰の「10万円以下の過料」に改めることなどが加わった。

 柳局長は、可決された改定案が「私たちが求める登録証の常時携帯義務の撤廃をはじめとした登録法の抜本的改正の要求に何ら応えたものではない」と批判した。そして、「携帯と提示はワンセットであり(同法第13条)、不携帯だけを過料にし、不提示を引き続き刑罰の対象とするならば、例えば現場の警察官の判断で『登録証を見せなかった』ことを理由にいくらでも立件できる道を残したもの」であると指摘。引き続き登録証を常に携帯しなければならない苦痛も残っており、問題解決に何らつながるものではないと強調した。

 さらに、常時携帯制度については国連の規約人権委員会も国際人権規約に反するとしてその廃止を繰り返し勧告しており、国際的にも重大な人権侵害とみなされていると指摘。日本政府と国会が小手先の修正で対処するのではなく、在日朝鮮人をはじめ当事者と世論の声に耳を傾け、常時携帯と刑罰の廃止などを盛り込んだ抜本的改正を行うよう求め、衆議院での真摯な議論を促した。

 なお同日、外登法改定に抗議し、外登証の常時携帯義務、重罰制度の廃止を訴える日本市民らの集会が衆院第2議員会館で開かれ、在日本朝鮮人人権協会代表も参加した。