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共和国の農業政策/適地適作、適期適作の具現


 労働新聞5月21日付は、金正日総書記が示した農業政策を遂行して、食の問題を解決するよう呼びかけた。共和国では元旦の共同社説で「今年、われわれは農業に全国家的力を注ぎ、食の問題を解決しなければならない」と強調した後、増産対策を討議した全国農業部門活動家熱誠者会議(1月)、金日成主席の労作「わが国社会主義農村問題に関するテーゼ」発表35周年記念中央報告大会(2月)が開かれた。また4月の最高人民会議第10期第2回会議で採択された99年の国家予算では、とくに農業と電力工業に最大の比重があてられており、ここからも食糧問題解決により一層の力を注いでいることがうかがえる。(基)

 

実態把握し方針示す

 総書記が示した農業政策とは、総書記がここ数年間、農業の実態を把握しながら示した方針だ。具体的には(1)適地適作、適期適作の原則で農業構造を改善してジャガイモを増産する(2)2毛作を大々的に推進して品種改良を行う(3)土地整理事業を大衆運動として行い農業の総合的な機械化を実現する(4)草食の家畜を大々的に飼育する――など、農業生産と関連する方針。

 農業構造の改善とは、「地理的条件と農民の意思と要求に合った多収穫作物を選定し栽培すること」(ハン・ドク農業省副相、民主朝鮮2月5日付)で、例えば両江道の高山地帯でジャガイモを栽培するなど、その土地にあった作物を栽培することをいう。

 共和国はいま、ジャガイモ栽培に力を入れており、今春までに栽培面積を昨年より4万3000ヘクタール増やした。ちなみに両江道内の協同農場ではヘクタール当たり40トン以上の収穫を目指している。また山が多く耕地面積の少ない慈江道では、桑を植え蚕を飼い、蚕業を発展させようとしている。気温が低くて山の多い咸鏡北道では、昨年よりも薬草栽培面積をすでに4倍に増やし、栽培を始めている。

 次に2毛作についてだが、今年は平安北道・定州と咸鏡南道・咸興を結ぶ緯度40度以南で実施する。4月に訪朝して黄海北道銀波郡の協同農場を視察したアジア農民交流センターの大野和興世話人は、「稲の前作として40ヘクタールの土地でジャガイモを栽培しており、6月には収穫できると言っていた。その後水田に水を入れて稲作をすれば、連作から招かれる地力の低下などの障害も防げるだろう」と語る。

 土地整理事業は江原道で昨年9月から行われ、今年3月までに3万ヘクタールの土地が農地として生まれ変わった。同道では引き続き機械化事業を推し進めている。総書記は今年2月と3月に同道の土地整理事業を現地で指導したのに続いて、機械化事業も指導(5月7日発朝鮮中央通信)した。

 草食家畜の飼育。これは「草を肉に変える」という党の方針に沿って96年から積極的に行われている。国土の80%以上を山地が占める地理的条件を生かした措置だ。なかでも環境に適応しやすいヤギは、毒のある草以外なら何でも食べるので、飼料用の穀物も節約できる。

 

生活向上の熱い思い

 労働新聞5月13日付は、党の農業政策を解説する記事を掲載。政策で最も重要な位置を占めるのは、チュチェ農法に関する思想だと指摘した。

 その思想とは一言で言って、農業の主人である農民の熱意を高めて、適地適作、適期適作の原則で農業の転換を起こすことをいう。

 これは、共和国で過去、現場の農民が大麦が合うという土地に農業委員会がトウモロコシを植えるよう強いてきた、などの苦い教訓から、適地適作、適期適作の原則を徹底的に具現しようというものだ。

 自然・地理的条件の影響によって、農業は一律的には行えない。そのためその農村の地帯的特性と気風・風土、作物の管理など農業について一番よく知る農民が農業問題で提起される問題を自力で解決してこそ、収穫を上げられる。だから農民の意思を尊重して適地適作、適期適作の原則で農業を行うことが重要視されるのだ。

 労働新聞5月5日付は、総書記が相次ぐ現地指導を行いながら、私はいま人民が腹いっぱい食べられていないことが一番心が痛む、最近座っていようが立っていようが横になっていようが、どうすれば人民に腹いっぱい食べさせられるのか、どうすれば最も良く暮らせるのかという考えだけをしている、と語ったことを紹介した。

 総書記が示した農業政策には、食糧問題を解決して人民生活を向上させようとの、熱い思いが込められていると言える。