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時事・解説/共和国の最近の農業政策(上)


 労働新聞5月21日付は、金正日総書記が示した農業政策を遂行して、食の問題を解決するよう呼びかけた。これに先立ち労働新聞は、同月13日付から総書記の農業政策に関する解説記事を連載した。その内容を2回にわけて紹介する。

 

チュチェ農法

農民の意思尊重し役割高める

 金正日総書記が示した党の農業政策の中で最も重要な位置を占めるのは、チュチェ農法に関する思想だ。この農法は、国の気候・風土と作物の生物学的特性、耕地の状況に合わせて農業を行う科学的な営農法であり、これによって多収穫を得られる。

 総書記が明らかにしたチュチェ農法に関する思想は、農業の主人である農民の熱意を高め、農業で転換を起こすことだ。

 農業の主人は農民である。農村の地帯的特性と気候・風土、作物の管理など、農業について誰よりも一番よく知るのは農民だ。

 総書記は農業を各農村の条件に応じて行おうとするならば、農民の意思を尊重し、彼らの役割を高めなければならないとしながら、適地適作、適期適作の原則を徹底的に守らなければならないと強調した。

 適地適作、適期適作はチュチェ農法の重要な要求である。自然・地理的影響を頻繁に受ける農業は一律的には行えない。各農村、各耕地ごとに地理的特性と気候・風土が異なるため、農場、(協同農場傘下の)作業班での(収穫)目標や、種まき、草むしりの時期も異なる。したがって、チュチェ農法の要求に即して農業を科学的に営もうとするならば、農業面で提起されるすべての問題は農民自身が解決していかなければならない。

 こんにち、穀物生産を高めるのは、人民生活を向上させ、強盛大国を建設するための転換的局面を切り開くうえで、切実な課題として提起される。この問題を決定的に解決するには、現実の要求に即して営農法を限りなく改善しなければならない。

 

ジャガイモ栽培

生産構造一新し食問題解決へ

 総書記の農業政策で重要な位置を占めるのは、ジャガイモを増産することである。

 総書記は昨年10月、両江道大紅湍郡を訪れ、白頭山地帯でジャガイモを増産するよう指導した。

 ジャガイモの栽培で転換を起こす方針は、ジャガイモを大々的に植え、ジャガイモを増産するということだ。これには国の地理的特性に合わせて、ヘクタール当たりの収量が高いジャガイモを大量に栽培し、生産を高めて人民の食糧問題を決定的に解決しようとの総書記の意図が込められている。

 総書記は、優良な多収穫品種の種イモを開発する問題、新しいジャガイモ栽培法と栽培技術を導入する問題、有機肥料を生産する問題、種イモのウイルス発生を防止する対策など、ジャガイモ栽培で提起される科学技術的な問題と方法論的問題を明らかにした。

 総書記がジャガイモを増産するための方針を示したことで、チュチェ農法は一層発展し、農業生産の構造は根本から一新された。

 ジャガイモを増産することは、国の農業を発展させ、人民の食糧問題を解決することにつながる。

 共和国は山が多いうえに、東西の海岸沿いの一部地域は冷害の被害が多い。このような条件のもとで農業生産を決定的に高めるには、ジャガイモのような多収穫品種を多く植えなければならない。

 ジャガイモは山間地帯、寒冷地域でも多く栽培できる。

 適地適作、適期適作の原則で種イモの品種改良などを行えば、ジャガイモの収穫は高められ、農業生産全般にも良い影響を与えられる。これは国の自然・地理的特性と、農民の志向と要求に即した方針であり、これによって農業を今後さらに高い段階へと発展させられる。

 ジャガイモを増産することで、人民の食生活を改善することも可能だ。

 ジャガイモには様々な料理方法がある。加工方法を改善すれば、人民は多種のジャガイモ料理を楽しめるだろう。

 

品種改良

優良種子を育成

 品種改良は、朝鮮労働党の一貫した方針である。

 総書記は、農業生産を決定的に立て直すうえで、品種改良を最も重視している。品種改良は穀物だけでなく、畜産や野菜、果樹、蚕業をはじめ、農業部門すべての分野を包括する重要な問題である。共和国では「苦難の行軍」、強行軍を繰り広げる厳しい条件の中でも、品種改良を行える土台を整えた。両江道大紅湍郡にジャガイモ研究所を設け、多収穫の種イモを大々的に育てた。

 農業生産で大切なことは、種子の問題を解決することだ。問題は優良種子を作ることである。いくら農業を一生懸命に営んでも、種子が悪ければ良いものはできない。したがって良い種子の育成と確保が、生産を高めるための突破口となる。

 品種改良はまた、国の実情に応じて朝鮮式に農業生産を立て直すことのできる最も良い方針だ。

 西側諸国による経済封鎖が続く中で共和国は、単独で社会主義を建設しているため、不足する物も多い。また自然・地理的条件から見ても山が多く、耕地が少ないため、農業を営むには不利な環境である。
 その不利な条件を有利な条件に転換し、農業で増産をはかるためには、品種改良を徹底的に行わなければならない。

 穀物生産部門では、ビニールシートを使用しなくても農業を行い、肥料を少なく使っても2毛作を実施できる種子を作らなくてはならない。畜産部門では、エサを少なく与えても体重が増え、出生率を高められる家畜の種子を開発しなければならない。

 農業部門の活動家、科学者、技術者たちは品種改良の方針を貫徹しなければならない。