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時事・解説/共和国の最近の農業政策(下)


土地整理事業

農地確保と機械化実現

 大自然改造事業である土地整理を行う目的は、農地を確保することで穀物生産を高めるとともに、農村の総合的な機械化を実現することにある。

 また国土を一新することもできる。

 山が多く耕地面積が少ない共和国で、土地を規格化された田畑として整え、多くの耕地を確保できれば、穀物生産を高められる。

 金正日総書記は数回にわたって、江原道の土地整理事業を現地で指導した。

 江原道では総書記が示した方針に従って、最近、あぜや水溜まりなどを農地として整理した。

 土地整理事業はまた、機械化を実現して農民をきつい仕事から解放するための方針だ。

 農作業は田畑を耕し、種をまき、草むしりをするだけでも大変だ。

 農民をこのようなきつい仕事から解放するには、農村の機械化を実現しなければならず、そのためにも土地整理事業を行わなければならない。

 土地整理事業を大衆運動として展開することで、農村での技術革新を一段高い段階に発展させなければならない。

 

適地適作、適期適作

地理的特性に合った作物を

 適地適作、適期適作は、チュチェ農法の要求どおり農業を科学技術的に行ううえで最も重要な原則である。

 この原則を守ることは即ち、農村の地帯的特性、作物の生物学的特性に合わせて作物および品種を配置し、適切な時期に農業を営むことを意味する。多収穫品種の種子や、多くの資金と労力があるとしても、適地適作、適期適作の原則を守ることができなければ、生産をのばせない。この原則をいかに守るかが、チュチェ農法の生活力と生産成果を左右すると言える。

 金正日総書記は適地適作、適期適作の原則の重要性を認識し、それを実現するための理論実践的な問題を示した。

 総書記は、大紅湍郡をはじめ両江道ではジャガイモを大々的に栽培し、咸鏡北道ではジャガイモと共に薬草を多く植え、慈江道では桑を植え蚕を飼い、蚕業を発展させるよう語った。

 また平安南道以南地域では、サツマイモを多く植え2毛作を実施するよう述べた。これは国の地理的特性に合わせて農業を発展させるうえでの指針となる。

 また自然・地理的条件に合わせて、農業を科学技術的に行わなければならない。共和国は山が多く地形が複雑で、しかも海に面しているため、地域ごとに気候と風土が異なる。そのため同じ品種の作物を一律的に植えることは合理的ではない。稲がよくできる所では稲を、トウモロコシとジャガイモがよくできる所ではトウモロコシとジャガイモを植えなければならない。

 その地域の温度、湿気などを打算し、適切な品種の種子を配置しなければならない。

 

2毛作

少ない耕地を効率的に

 2毛作とは、1年の間に、同じ土地で違う作物を順次に植えることをいう。

 朝鮮労働党が一貫して堅持しているこの方針は、農業生産で転換を起こす重要な方途である。

 金正日総書記は2毛作を実施できる種子を育て、確保する問題に始まり、労力、水、肥料問題の解決に沿って2毛作を行う土地を増やし、2毛作に対する農民らの意欲を高める問題に至るまで、提起される様々な問題について教えた。

 2毛作を実施し、農地を効率的に利用するのは、農業生産を高めるための重要な方途である。

 山が多い共和国では、たとえ1坪の農地でもたいへん貴重だ。農地を最大限効果的に利用し、ヘクタール当たりの収穫量を高めることが重要だ。

 2毛作を実施するのは、穀物の種類を増やすうえでも意味が大きい。

 1年に1回しか農業を営まないのでは、穀物の種類を増やすことは難しい。しかし2毛作を行い、前作で大麦、小麦、ジャガイモなどを、後作で稲、トウモロコシを植えれば、穀物の種類を増やすうえで有利だ。

 2毛作を行う方針は、国の気候と可能性を科学的に分析したうえで示されたもの。

 とくに西海岸の定州以南の地域では2毛作が可能である。

 近年、黄海北道鳳山郡清渓協同農場、南浦市江西区域箴進協同農場などで2毛作を実施したところ、うまくいった。