「慰安婦問題」、法的責任果たすべき/マクドゥーガル国連人権委特別報告者が講演
国連人権委員会の差別防止・少数者保護小委員会で97年に「組織的強姦、性奴隷制および奴隷類似慣行」特別報告者に任命されたゲイ・J・マクドゥーガル女史が初訪日し2日、東京・千代田区の弁護士会館で行われた「日本軍従軍慰安婦問題解決のために−その法的責任の分析と提言−」と題するシンポジウム(主催=日本弁護士連合会)で講演した。
マクドゥーガル女史は講演で、「従軍慰安婦」問題で未だ法的責任を回避しようとしている日本政府に対し、法的責任を免れることは絶対にあり得ないと強調しながら、「日本政府が自ら進んで法的責任を認めることで、元慰安婦の人たちに尊厳を取り戻すことができる。多くの国が戦時性奴隷の問題に責任を負っているが日本が法的責任を果たせば、前例となる良い機会になる」と述べた。
さらに、最終報告書で触れたように「アジア女性基金」は、日本軍の性奴隷となった生存者に対し、日本の法的責任を回避する方便にすぎないと改めて強調した。
また、マクドゥーガル女史は3日、朝鮮人強制連行真相調査団をはじめとする各団体と歓談し、資料を収集した。今年八月には最終報告書の最新版を人権小委に提出する予定だ。