愛知県私学振興室に朝鮮学校への助成拡充要請/愛知の校長、教育会、保護者ら
愛知県内の各朝鮮学校校長と教育会、児童生徒の保護者ら22人が4日、愛知県私学振興室を訪れ、朝鮮学校への助成拡充を要請した。
要請は、愛知県が財政難を理由に6月議会で朝鮮学校に対する教育助成を削減しようとの動きを見せていることと関連して行われたもの。私学振興室からは鈴木克幸室長をはじめ5人の職員が応対に当たった。
一行はまず、神田真秋知事あての要請書を室長に手渡した。要請書は、大阪府や兵庫県宝塚市では「日本の子供と同じように扱うのは国際的な潮流」として朝鮮学校の生徒1人当たり年間11万円を助成しているのに対し、愛知県の助成額は東京、神奈川、大阪、京都、兵庫、愛知の6大都府県中最低で、日本の私立学校と比べて10分の1にも満たないと指摘。県下の朝鮮学校に対し、日本の私立学校と同等以上の助成金を交付するよう求めている。
一行は席上、在日朝鮮人の子供が朝鮮学校で民族教育を受けるのは、誰も侵害できない普遍的権利だと強調。県が朝鮮学校に対する観点を根本的に改め、「1条校」に準ずる学校として処遇し、助成額を大幅に引き上げるよう求めた。
とくに保護者らは、子供たちを朝鮮学校に通わせる場合の経済的負担の大きさについて、校長らは現場の教員らの苦労などについて、教育会役員らは学校運営の困難さについて、それぞれ切実な思いを訴えた。
鈴木室長は訴えに一定の理解を示しながら、要請内容はきちんと上部に伝えると約束。私学振興室としても朝鮮学校の位置づけについて議論を深め、処遇について再検討したいと答えた。また代表らの招待に応じ、朝鮮学校を視察に訪れる意思を表明した。