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南の「ゼネスト誘導事件」/労組、市民ら怒り


 ウイスキーでビールを割ったものを一気飲みする「爆弾酒」。南朝鮮では、祝賀会や歓迎会など酒宴の席で一般的に行われる余興で、いわば「根性試し」のようなものだ。1杯でも相当、酔いが回る強烈なシロモノ。ところが、解雇の不安を抱える労働者の怒りがなみなみ注がれたこの「爆弾酒」の洗礼を、検察が浴びることに――。

 南では今、市民の怒りの矛先が「ミンクコート事件」から「ゼネスト誘導事件」に移っている。これは、造幣所の統廃合に抗議する「韓国造幣公社」労働組合のゼネストについて、最高検の公安部長だった秦炯九が「構造調整に反対するゼネストは徹底弾圧するという他労組への見せしめとして、社長と共謀して工場を閉鎖、ゼネストを意図的に仕組ませた」と語ったというものだ。

 この事実を暴露した引き金が、酒宴の席で3杯空けたという「爆弾酒」だったことから、10日にソウルで抗議集会を開いた「韓国労働組合総連盟」のある組合員は、「真相を明らかにせよ」と書かれた看板を掲げ、最高検の正門看板を目掛けて「爆弾酒」を思いっきりぶちまけた。

 11日には、全国民主労働組合総連盟など13の労組や市民団体が、秦炯九や前法務部長官の金泰政らを職権濫用の容疑で告訴するなど、今も真相追及の手を緩めてはいない。