「参政権」反対で徐第1副議長が首相への要望書を伝達
総聯中央の徐萬述第1副議長が18日、東京・永田町にある首相官邸を訪ね、野中広務内閣官房長官に会い、日本政府が「参政権」問題に慎重に対処するよう求めた小渕首相あての要望書を手渡した。
総聯中央の南昇祐国際局長、商工連合会の粱守政会長、総聯東京都本部の金守埴委員長が同行した。
徐第1副議長は、「地方参政権」といっても日本の国政につながるものであり、内政不干渉の原則に反するもので、「参政権」は必要ないという総聯の立場を述べた。
また朝・日間の国交が正常化されておらず、在日同胞の権利保障も不十分であるばかりか、差別を受けている状況で、「参政権」を先に付与することは主客転倒であり、まず民族権利問題が解決されなければならないと述べた。
そして「参政権」に対する意見は在日朝鮮人社会でも賛否が分れており、意見が集約されていない状態で「参政権」問題を推進することは、在日朝鮮人社会に不和とあつれきを生むと指摘した。
これに対し、野中官房長官は、今、もっとも緊要な問題は日朝国交正常化問題であり、要請の趣旨はよく分かった、小渕首相に責任を持って伝えると述べた。
呉副議長は自治省に
総聯中央の呉亨鎮副議長も同日、自治省を訪ね野田毅自治相と会い、「参政権」問題で慎重に対処することを求める要望書を手渡した。総聯中央の柳光守同胞生活局長と在日本朝鮮人人権協会の趙纒怏長が同行した。
呉副議長は「地方参政権」が内包している問題点と在日朝鮮人社会に及ぼす悪影響について説明し、地方自治体を管轄する自治省がこの問題に慎重に対処するよう求めた。
野田自治相は、与野党内に賛否両論があり、在日外国人の間でも見解が異なるため、今後もよく検討していきたいと述べた。
総聯代表らは民主党に
在日本朝鮮人人権協会の趙纒怏長と呉象元副会長、文芸同中央の金正守委員長、総聯千葉県本部の尹東煥副委員長など総聯の代表らが東京・千代田区の民主党本部を訪ね、元首相の羽田孜党幹事長、海江田万里国際交流委員長、大畠章宏国会対策委副委員長に会い、「参政権」問題に慎重に対処することを求めた要望書を手渡した。
代表らは、地方政治に参与することよりも在日朝鮮人の間の民族性を守ることがより重要であり、そのために民族権利が十分に保障されなくてはならないとして民主党がこれを理解し「参政権」の問題に慎重に対処するよう求めた。
羽田幹事長は、代表らのような意見があることを再認識したとして要請に理解を示した。そして、日本と朝鮮が互いに隣にありながら対話をできないのは異常であり、日本が過去に朝鮮に与えた被害を決して忘れず、文化など交流を通じて国交正常化の突破口を開いていきたいと述べた。