朝米関係/政治、経済関係の改善を
金桂寛外務省副相とカートマン朝鮮半島和平問題担当大使間による朝米高官会談が23、24日、北京で延べ約21時間にわたって行われた。朝米会談は平壌で5月26〜28日の3日間にわたって行われた姜錫柱外務省第1副相・ペリー米大統領特使との会談以来。また金桂寛・カートマン両氏による会談は、ニューヨークでの第4回地下施設協議(2月27日〜3月16日)以来で、北京では初めて。報道によると、5月に米調査団が行った金倉里施設への訪問結果、西海での武力衝突事件、8月開催予定の第6回4者会談の日程、朝米ミサイル協議の再開問題――などが話し合われた模様だ。また18日発表の米国務省スポークスマン声明によると、主な議題は金倉里訪問の結果報告、4者会談の日程、朝米基本合意文の履行問題――などとなっていた。金副相は協議に先立ち「互いの関心事について協議する」と語ったうえで、「提起される問題はすべて論議せねばならないだろう」と述べた。ペリー特使が要請した姜錫柱第一副相のワシントン訪問問題も話し合われた。金倉里地下施設、朝米基本合意文の履行、ミサイル問題について見た。
金倉里地下施設
核と無関係を確認
昨年8月、金倉里に地下核施設が建設されているのではないかという「疑惑」を米国が持ち出したため提起された。第4回地下施設協議で双方は、朝米基本合意文と共同声明(93年6月)の原則を再確認し、また共和国の招待によって米代表団が金倉里を訪問、建設対象を参観(参観料も論議し追加訪問も許可)する一方、米国は共和国の要求どおり政治、経済関係の改善措置を講じることを約束した。
そして米実務代表団が5月20日から22日まで金倉里施設を訪問し、「トンネルは空洞だったことを確認」(18日の国務省声明)。金倉里地下施設が核とはまったく無関係な空洞のトンネルであることの客観的な確証が得られたわけだ。これで共和国が基本合意文を誠実に履行していることが改めて証明された。
ちなみに追加訪問は、2000年5月に行われることで双方が合意している。
金倉里訪問が実現したことで、次に求められるのは米国が共和国との政治、経済関係の改善措置を講じることだ。米国は朝米基本合意文の履行に努めることとなろう。
基本合意文の履行
制裁の全面解除を
合意文の履行状況を見ると、米国が2003年までに提供すると約束した軽水炉1基は2007年の完成予定と言われ、大幅にずれ込みそうで、毎年50万トンの重油納入も停滞している。
さらに米国による対北経済制裁は公約から4年が経った今も全面解除には至っていない。経済制裁問題について言えば、南朝鮮駐在米商工会議所(AMCHAM)代表団が8日に訪米し、米企業が共和国に進出するために、ホワイトハウスの高位級関係者、上下院議員らと会って、対北経済制裁を解除するよう要請したと伝えられる。
ミサイル協議
現金補償なら輸出中止
米国の要請で始まった。96年から1年に1回のペースで4回行われた。
第4回協議は平壌で行われ、共和国は、ミサイルの開発、生産、実験、配備は自主権に属するもので、誰かと取り引きする問題ではないとの一貫した立場を改めて明らかにした。
開発の中止については朝米間の平和協定が締結され、共和国に対する米国の軍事的脅威が完全に除去された後に上程、討議される問題(98年6月16日発朝鮮中央通信)と主張している。
そのうえで共和国は、ミサイル輸出の中断で得られなくなる外貨を現金で補償する条件でのみ、ミサイル輸出中止の問題を論議できることを示唆した。
双方は共和国の提案を論議し、引き続き協議を継続するとしている。