埼玉初中で対外公開授業/議員､教師､市民ら２４０余人が参加

　埼玉朝鮮初中級学校で６月２６日、対外公開授業が行われ、細川律夫衆院議員、清水澄子参院議員、秦哲美埼玉県議、鈴木弘大宮市議会議長ら各市議、県と市の行政関係者、町内会、日本学校の教員、教育関係者、在日外国人ら２４０余人が参加した。

　金淳�附Z長によると、２００１年の同校創立４０周年を目指して子供たちの教育環境の一層の充実を図り、当面して県と市に助成の増額、支給を求める運動と世論を盛り上げるため、まずは多くの市民らに民族教育の中身と朝鮮学校の現状について知ってもらおうと開かれたもの。同校ではこれまで一部の支援者や、普段から交流のある日本学校の教員、児童生徒らを対象にした小規模の公開授業を行ったことはあったが、このように幅広い日本市民を対象にしたのは初めて。

　初級部、中級部全クラスの授業を参観に続き、体育館では「ウリハッキョ―私たちのメッセージ」と題し、在校生と卒業生によるメッセージ、合唱、舞踊、詩の朗読などを交えた出し物が披露された。

　「子供たちの真剣な授業態度、先生方の熱心な教授の双方に感銘した。舞踊や合唱からは民族への思い、メッセージからは朝鮮学校で学ぶことへの誇りが感じられた」（滝口裕史さん、４１、熊谷市教育委員会）､｢どのクラスでも子供と教師が上下関係でなく、共に学び合いながら成長しようという感じが伺えた。こうした行事により多くの人が参加することで、民族教育への偏見がなくなっていけば｣(石橋咲子さん、５０、公務員）､｢私の海外での経験から見ても、在日朝鮮人はあまりにも不利な立場に置かれている。２１世紀を生きる日朝の子供たちが共に生きる場が、公平かつ平等にこの日本社会にあることを願う｣(赤繁明法さん、５１、英語講師）などと感想を語った。

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　同校教員と関係者らはこの日、公開授業に参加した国会議員、自治体議員らに、同校への補助の増額が緊急の課題であると強調し、改善を求めた。

　現在、同校に支給されている各種名目の補助金は県と各市の分を合計して年間１８００余万円。県内の他の私立学校に比べて８分の１にしか満たない水準だ。同校では当面してこれを２倍近くまで引き上げることを目標に、すでに支給している県と１８の市に対しては増額を、未支給の１１市に対しては支給を強く求めていく予定で、総聯埼玉県本部に設けられたプロジェクトチームを中心に同胞、保護者らによる要請活動を７月からスタートさせる。

　要望に対し、埼玉県教育局指導部指導課の野口英世主任指導主事は「今日見たこと、朝鮮学校の教育内容について上部に知らせたい」と述べた。また清水議員は「各種学校という枠が子供たちの夢と希望を踏みにじっていることに強い責任を感じる。民族教育差別が解消されるよう引き続き努力したい」と話していた。