南朝鮮・全教組の合法化/教員の権益擁護への第1歩
南朝鮮の全国教職員労働組合(全教組、李富栄委員長)と「韓国教員労働組合」(「韓教組」、林泰龍委員長)が1日、労働部に労組結成届を提出し、受理された。これで、両労組は合法労組として正式に認可された。中でも全教組にとっては、10年目にして待望の合法化となる。
1989年5月に結成された全教組は、教員労組の結成を最終目標に掲げてきた。母体の全国教師協議会(全教協)は任意団体としてしか認められておらず、要求闘争には限界がある。全教組結成の目的の1つである「教師の処遇改善・権益向上」を目指すには、合法化が必要不可欠なのだ。
合法化によって、全教組は教育部など当局を相手に賃上げ交渉などを行えるようになった。非合法組織の扱いだったこれまでは、雇用保障や賃上げを訴えようにも、協議の席に着くことすらできなかった。合法化はまさに、教員の権益擁護への第1歩と言える。
全教組が掲げる理念は、「真の民主教育の施行」だ。彼らが唱える「真の民主教育」とはすなわち、反共教育から連共教育への転換である。
当時、全教協をはじめ現場の努力で教育の民主化がある程度進み、徹底した反共教育にひずみが生じていた。全教組は結成宣言文で「すべての民族・民主勢力と連帯し、教育と社会の民主化のために南北統一まで闘争を続ける」とし、教員組織の民主組織化によって統一を促進する教育への転換を目指すとしている。
反共教育に反対する全教組に対し、盧泰愚「政権」は「非合法団体」のレッテルを貼り、全面弾圧に乗り出した。結成直後には1500余人の教員が解雇、400余人が逮捕されるなど、激しい弾圧を受けたが、全教組は10年間、合法化を目指してたたかってきた。
その結果、教員労組の合法化は、金融危機対策協議機関である労使政委員会が昨年2月にまとめた「経済構造改革法案」に盛り込まれたのである。