外国国籍県民神奈川会議、知事に外国人学校の処遇改善提言で合意
外国国籍県民神奈川会議は10日に開いた99年度第7回会議で、外国人学校の処遇改善を県知事に提案することで合意した。当面は9月に、提言に向けた中間報告を知事に提出するが、外国人学校の処遇に関する問題を第1の課題として扱うことになる。
中間報告案には、県が、外国人学校卒業生に大学入学資格検定(大検)合格の条件なしに国立大学受験資格が付与されるよう日本政府に働きかけ、外国人学校への助成金を増額するよう求める内容が含まれている。
同会議は、外国国籍県民の声を県政に反映するためのシステムとして昨年11月に発足した。教育文化部会と社会生活部会があり、公募により選ばれた14ヵ国・地域出身の20人が委員を務めている。
会議では、県下の外国人学校の教育内容と公的補助の状況、差別是正に関する日本弁護士連合会や国連各条約機関の勧告などに基づき、発足当初から外国人学校問題について活発に討議してきた。6月に行われた第6回会議では、朝鮮と中国の両委員が朝鮮学校と中華学校の沿革と現状について報告した。
3日には、委員と会議の事務局を担当する県の国際課の職員ら10余人が横浜山手中華学校と神奈川朝鮮初中高級学校を視察している。委員らは授業を参観して子供たちの姿に直接触れ、教職員らと歓談する中で、外国人学校に対する認識を深めた。
同会議教育文化部会の責任者を務める在日同胞の「安さんは「在日外国人は互いに異なる歴史的経緯を持っており、子供たちの教育に対するニーズも多様だ。しかし、当然保障されるべき民族教育の権利が保障されていない現状を改善する必要があるという点では共通の認識を持っている。今回の提案実現に向けて、今後も努力したい」と話していた。