国連・子どもの権利委員が訪日/大阪、東京でイベント

※(7月29日)サーデンバーグ委員の訪日と記念講演会中止


 国連・子どもの権利委員会のマリリア・サーデンバーグ委員が31日から訪日する。同委員会は昨年6月、朝鮮学校問題をはじめ在日朝鮮人の子どもに対する差別を全面的に調査、解消するよう日本政府に勧告した。

 8月4日に兵庫県外国人学校協議会などが大阪で開く教育シンポジウム「子どもの権利条約とマイノリティ―朝鮮学校・外国人学校の子供たち」、3日には外国人学校連絡協議会準備会が東京で開く同タイトルの講演会にそれぞれ講師として参加するほか、朝鮮学校訪問なども予定している。

 先日、大学入学資格検定(大検)の受検資格緩和が発表され、朝高生の大学受験におけるハードルが一つ減ることにはなったが、それは、在日同胞と内外の世論が求めていた回答ではなかった。直接の大学受験資格はおろか、朝鮮学校の置かれた差別的な地位、処遇自体はそのままだ。

 サーデンバーグ委員との議論は、民族教育の権利を保障している子どもの権利条約、そして日本政府に制度的差別の解消を求めた昨年6月の勧告の持つ意味を改めて考え、勧告を実現させるためにどうしていけばよいかを模索するためのいい機会となるだろう。大阪シンポ、東京講演会の主催者らは、朝鮮学校関係者、児童生徒保護者らをはじめ、幅広い同胞、日本市民らの参加を募っている。

 サーデンバーグ委員は、1日に東京で開かれる日本のNGO「子どもの人権連」主催のトークセッションなどにも出演予定。

 

 マリリア・サーデンバーグさん ブラジル外務省外交官。1993年より国連・子どもの権利委員会委員(現副議長)。「子どもと青少年の権利全国評議会」外務省代表(92〜94年)、オランダ駐在副領事(94〜99年)、国連人権小委員会代理委員(90年〜)などを歴任。2児の母。

 

◇大阪シンポジウム

日時 8月4日(水)午後6時45分〜
会場 メルパルクホール(JR・地下鉄新大阪駅下車徒歩6分)
内容 サーデンバーグ委員の講演とパネルディスカッション
(パネリスト=鈴木孝雄弁護士、
    聖ミカエル国際学校のアイリン・パードン校長、
    民族教育大阪府対策委員会の蔡成泰事務局長)
参加費・資料代 1000円(中高生500円)
主催 同実行委員会(兵庫県外国人学校協議会、部落解放・人権研究所、子どもの人権連、社団法人・子ども情報研究センター、全朝教大阪、在日本朝鮮人人権協会近畿地方本部、在日本朝鮮人大阪府教育会、同京都府教育会)
(大阪府教育会= TEL 06−6323−2175)

 
◇東京講演会

日時 8月3日(火)午後6時30分〜
会場 東京ウィメンズプラザホール
(地下鉄表参道駅下車徒歩7分)
内容 サーデンバーグ委員の講演、在日外国人学校の現状と日弁連の勧告に関する矢花公平弁護士の講演
参加費・資料代 1000円
主催 外国人学校連絡協議会準備会
(事務局= TEL 03−3908−3652)

 


※7月29日

サーデンバーグ委員の訪日と記念講演会中止

大阪の教育シンポは予定どおり

 国連・子供の権利委員会のマリリア・サーデンバーグ委員の訪日が中止になった。ブラジル外務省の外交官として多忙を極める中,海外出張が重なりスケジュール調整が不可能になったもの。

 講師として参加する予定だった教育シンポジウム「子供の権利条約とマイノリティ」(8月4日、大阪)は予定どおり行われる。サーデンバーグさんからは書面か録音によるメッセージが寄せられる予定。また,会場と電話で結び,質疑応答などもできるよう準備を進めている。

 一方、東京で3日に予定されていた訪日記念講演会は中止となった