金剛山歌劇団チャンセナプ奏者・崔栄徳さんが初リサイタル


 金剛山歌劇団のチャンセナプ奏者、崔栄徳さん(24)が5日、東京・芝公園のabc会館ホールで初のリサイタルを開いた。

 崔さんは共和国の「2・16芸術賞」コンクール(今年2月)で、民族楽器部門では初めて2位に入賞。本場で認められた演奏を一目見ようと、会場には在日同胞、日本人ら520人余りが詰め掛け、超満員となった。

 リサイタルは「ブランコに乗る乙女」で幕を開けた。3曲目の「我らの誇り限りない」は同胞らの間でもよく知られた曲だ。外国曲として唯一演奏されたのはドビュッシー作曲の「ボヘミアンダンス」。

 第2部は、チャンゴ重奏「ソルチャンゴカラク」、セナプとサンモノリ「小鼓舞」など多彩な演目が続く。

 崔さんが最後の曲に選んだのは「龍江キナリ」。

 アンコールの声に応えて、「万景台の春」など2曲が演奏された。

 昭和音楽大学講師の福本信太郎氏(27)は、「異国で生まれ育った3世が、自国の音楽を高い水準で継承していることに驚きを禁じ得ない」と話していた。