視点
「日本は朝・日関係の厳しい現状をそのままにして21世紀を迎えることは出来ない」。
祖国解放54周年に際して、10日に発表された共和国政府声明の内容だ。声明は朝・日関係の現状と関連して日本に対し、次の3つの原則的立場を明らかにした。
(1)対朝鮮圧殺政策の放棄(2)過去の罪に対する誠意ある謝罪と徹底した補償(3)力による対決には、それ相応の対応策を選択。
共和国の政府声明発表は、「国の最高利益を守るための措置として、やむをえず核拡散防止条約(NPT)から脱退する」と宣言した93年3月12日以来、6年5ヵ月ぶり。
日本の外務省幹部は翌11日、「北朝鮮が何を意図しているのか、いろいろなレベルで聞いてみたい」と述べ、外交当局者間の非公式接触などを通じて共和国側の意図を聞く考えを示した(日本経済新聞12日付)。
朝・日国交正常化交渉が92年11月に決裂してすでに7年過ぎようとしている。声明で強調されたように20世紀に起こったことは20世紀中に解決されねばならない。
今回、共和国から日本に投げ掛けられたボールの意味は大きい。外務省声明や同スポークスマン談話ではなく政府声明というところに朝・日関係改善にかける共和国の熱意が感じられる。これに対して日本がどのような態度を示し、反応するのか。共和国は今、それを見守っている。
関係改善のボールは日本側にある。(喜)