長野初中、8・15祝賀集会で移転新校舎お披露目
11月の竣工式に向けて募金運動に最後の拍車
学校創立30周年を記念し、松本市島内の新たな移転先で新築工事が進められていた長野朝鮮初中級学校の新校舎が完成し、30日から新校舎で授業が始まった。しゅん工式は11月中旬に開かれる予定だ。
21日、県内同胞らに初のお披露目として新校舎で総聯長野県本部主催の8・15慶祝行事が開かれ、350余人が参加した。
まず、真新しい体育館で集会が行われ、総聯本部の崔在植委員長、新校舎建設委員会の李源文委員長(同校教育会会長)がそれぞれ挨拶し、建設を請け負った守谷商会の酒井幸雄工事長が建物の概要について説明した。
校舎移転・新築の総費用は17億2000万円。そのうち同胞からの賛助金で賄う分は約7億円だが、賛助金集めはまだすべて終了していない。崔委員長は挨拶で、新校舎建設の喜びについて語りながら、残る募金運動と生徒拡大運動への協力を呼びかけた。
集会後、同胞らはぴかぴかの校舎や寄宿舎などを見て回り、グラウンドでスポーツや焼肉を楽しんだ。
バザーやチャリティーコンサート、ペットボトル1日100円貯金運動など、お金を集めるための活動をこつこつと行ってきた同校オモニ会の崔恵淑会長(46)は、「ちりも積もれば山となる。長野の同胞家庭では、マイホームやマイカーを買う気持ちで募金運動に取り組んでいる。旧校舎がなくなってしまうと寂しがっていた息子が、今日新しい学校を見て『本当によかった』と言っている。その姿を見て私も満足だ」と話す。
また2歳の息子を連れて参加していた12期卒業生の金相誠さん(33)は「こんなに立派で勉強する環境の整った新校舎で学ぶ生徒たちがうらやましい。2歳の息子が幼稚園に入園する日が待ち遠しい。今後も、募金運動に積極的に参加し、他の同胞らにも協力を訴えていきたい」と言っていた。
この日の行事には、新しい学校を早く見ようと遠く他県からも卒業生が訪れた。千葉県在住の13期卒業生、鄭秉奭さん(31)は「同胞たちの経済状況は厳しいと思うが、困難な時ほど団結し、最後まで建設事業をやり遂げなくては。そして入れ物の次は中身。これから生徒数も増やし、民族教育を一層発展させていく基盤をしっかり整えなくてはならない」と語った。
李源文・建設委委員長は「同胞たちの喜ぶ姿を見て力を得た。11月のしゅん工式に向け募金運動に拍車をかける一方、長期的な学校運営を展望した活動も行っていきたい」と抱負を述べていた。