視点


 朝米高官協議が9月7〜11日、ベルリンで開かれることが決まり、朝米関係が新たな進展を見せようとしている。

 開催決定を発表した米国務省のフォーリー副報道官は「米朝双方は、進展が達成可能と信じるから交渉を重ねているのであり、協議することを決めたのは前向きなサインだ」(朝日新聞26日付)と語った。

 「ミサイル再発射」騒動で朝米間の緊張が一時、高まったが、共和国はすでに対話による解決方向を示していた。

 「米国を百年の宿敵と見なさず」、一切の脅威の根源を一掃し「米国が信義を示せば信義で応じる」(共和国外務省スポークスマン談話7月26日)、「敵対国(米国)が共和国の憂慮を解消する意図をもって正当に接するなら、いつでも(ミサイル)協議を行う用意がある」(同8月18日)などだ。

 米国も8月上旬のジュネーブ協議で、ミサイル再発射中止を条件に、米議会の同意なしに行政命令で実施できる経済制裁の全面解除を提示していた。

 ワシントンの外交筋は25日、「北朝鮮側が発射の準備を見合わせていると述べた」(ワシントン25日発共同)が、朝米高官協議開催合意により、「ミサイル再発射」騒動は当面、落ち着きそうである。

 協議の進展如何は、米国が朝米基本合意文に基づき、自らの義務である対北経済制裁解除を「確実に履行」するかどうかにかかっている。(喜)