東京朝高出身ボクサー
洪昌守 東洋チャンプに
東京朝高出身のプロボクサー、洪昌守(25)が9月17日、東洋太平洋スーパーフライ級王座のタイトルを手にした。
大阪府立体育館で行われた王座決定戦で、同級3位の洪は同級2位のポーン・シンモロコット(25)を2対1の判定で下した。これで戦績は19勝2敗1分け。 試合開始直後からスピードで完全に相手を圧倒。距離をたもちながら、ボディーブローで相手のスタミナを奪った。中盤過ぎには苦しい場面もあったが、固いガードでしのいだ。 終盤からは持ち味のフットワークを生かし、左ボディー、右ストレートのコンビネーションで猛反撃。最終の12ラウンドまで攻めつづけた。 日本フライ級1位、東洋太平洋スーパーフライ級3位の洪は、これまで2回、日本タイトルに挑戦したが果たせなかった。 くしくも25歳の誕生日に果たした念願のタイトル奪取に、洪は「永遠に忘れられない誕生日になった」と感慨深げ。「今日の出来は100点。今からまたすぐ、12ラウンド戦える」と余裕の表情を見せながら、「同胞たちの温かい声援があったから、どんなことがあっても勝たねばという強い意志が持てた」と話す。 次は世界をねらう。「統一祖国で防衛戦をたたかう」という洪の夢は、1歩現実に近づいた。 会場には、東京・大田区に住む洪の家族はもちろん、東京をはじめ各地から大勢の友人、同胞らが集まり、声を枯らして熱い声援をおくった。 ボクシングを志し、家族のもとを離れて大阪に住みながら朝青東成支部大成班の班長を務めている洪を応援しに、同支部の朝青員ら40余人はウリマルで「ホン・チャンス イギョラ」と書いた横断幕を手に駆けつけた。 「KOREA ONE」と言う文字と、朝鮮半島の地図が刺繍されたトランクスは、東京朝高時代の同級生がこの日の王座決定戦のために作ってくれたものだ。 入場の音楽は朝鮮の映画「月尾島」のテーマ。この勇壮なメロディーを入場の音楽にしようと決めたのは高級部生の時だ。「同胞たちが喜んでくれると思ったから。いつも同胞たちに力を与えられる存在になりたい」 |