春夏秋冬


 寒さが増してくると、体がポカポカと温まる鍋物が食べたくなる。朝鮮人ならばやはりキムチチゲだろう。このキムチチゲ、日本のファミリーレストラン、調味料市場でブームとなっている

▼ファミリーレストランでは、キムチを使った新メニューが続々登場。「豚肉と豆腐のキムチ鍋」「辛口豆腐チゲ鍋和膳」「辛口チゲ鍋うどん」「豚キムチ鍋定食」「カルビクッパ」など。売れ行きはいずれも上々とか。ある店では冬の定番メニュー「かきと野菜のてりやきソース」に次ぐ人気ぶりだという

▼一方、食品メーカーも競って「キムチ鍋用調味料」の販売に乗り出した。「キムチ鍋の素」「キムチの素」「キムチ鍋つゆ」「ユッス仕込みのキムチチゲ」などなど。昨年10月ごろから急激に売れ始め、ある商品は「99年度は前年比230%くらいになりそう」と見込まれるほどだ

▼これらの背景にはピリ辛人気がある。キムチに使う唐辛子にはカプサイシンという成分が含まれる。これが血管を拡張させて血行をよくし、胃を刺激して消化液の分泌を促す働きがある。さらに体脂肪を燃焼させてエネルギー代謝を促進しダイエット効果もある。そのためキムチ鍋は今や「女子中・高生のいる40代世帯を中心にトレンディーな料理」(東京新聞13日付)として注目されている

▼本紙前号から韓啓司・恵クリニック院長の連載「朝鮮料理に秘められた効用」を始めた。韓院長は「キムチは世界の漬物の中でももっとも栄養が豊富で健康によい食べ物」と強調する。昨今のキムチブームは、日本人もこのことを認識したからだろう。(喜)