春夏秋冬


 休日、ぶらっと近くの公園にある梅林に出かけてみた。暖冬とはいえ、1月半ばだけに、つぼみ程度だろうと思って門をくぐると、意に反して独特の「甘い」匂いが鼻をついた。あれっ、と思って枝に目をやると、「ろう梅」、「寒紅梅」がすでに花をつけている

▼管理人によると、今年は開花そのものは早いが2、3度、寒波の洗礼を受けないと咲き具合が悪くなるという。花びらが1枚1枚、時間をかけて開くのではなく、複数同時に開いたり、花びらの形がいびつになったりするのだそうだ

▼花の咲き具合という、普段は気にも留めない自然界の営みにも、確実に異常気象の影響が現れていることを知らされた。確かに昨夏の暑さといい、データの通用しない年がここ数年続いている。数年後には、地球全体の温度が2〜3度上昇し、南・北極の氷山、氷河が溶け出し洪水が起きると警告する専門家もいる

▼異常といえば、出口の見えない不況の日本とは対照的に、ここ数年4%内外の成長を維持しバブル景気に沸く米国経済も同様である、と指摘する向きが多い。先日、東京で開かれたG7蔵相会議で、各国が「円高懸念を共有する」との声明が発表されたが、実は「ドル安懸念を共有する」というのが、文言の真意だったとも

▼米国のバブル経済が弾けると、その恩恵を受けて比較的好調な日本の自動車、情報通信機器の関連産業はまともにあおりを受けることになる。ブラックマンデーの再現となるかも知れない

▼弾けるのは間違いなく、かといって深刻な影響を考えると早まって手をつけたくもない…。しかし現実になった後では遅い。(彦)