スポーツの秋  登山(ハイキング)の効用

金英・登山協会会長に聞く

心肺機能高める/筋肉80%使う全身運動


 スポーツの秋。誰もが手軽にできるものと言えばウォーキングに登山(ハイキング)。そこで登山の効用について、在日本朝鮮人登山協会の金英会長(74)に聞いた。

ストレス解消にも効果的
新陳代謝促す森林浴

 登山は、ウォーキングとは違って、アップダウンがある道を歩く。だから、心肺機能を高めるのには非常に効果的だ。

 登山では心臓から下80%の筋肉を同時に使うと言われる。心臓、肺、太もも、ふくらはぎを使うから全身運動になる。

 初心者は、アップダウンのあまり激しくない、なだらかな山を選ぶと良い。歩行時間は四時間程度が適当。1000〜1500メートルの山だと、日帰りでも行ける。2500メートル以上になると、酸素が少なくなるので、息が苦しくなり、高山病にかかる率も高くなるので注意してほしい。

 登山はストレス解消にも効果的だ。登っている時は苦しいかもしれないが、山頂についた時にはすべて忘れてしまい、また登りたいという気持ちになる。

 山頂から景色を見る壮快感、最後までくじけずやり遂げたという勝利感、山を登りきったという征服感を同時に満喫できるからだ。だから、精神的、肉体的ストレスを解消できる。

 森林浴も体に良い。樹木の香気を浴びることで精神的安らぎと、そう快な気分が得られる。人間の体の新陳代謝を促すうえでも効果的とされる。

 私は50代半ばから本格的に登山を始めたが、74歳になった今でも、健康診断では50代の体力と言われる。

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 山は誰でも登れるが、かといって、山を侮ってはならない。日頃の鍛練で、ある程度体力をつけておく必要がある。

 初心者は普通、誘われて山に行くと思うが、最初の頃は1人では絶対に行かない方が良い。2人から3人、できれば10人ほどのグループで行く方が楽しい。

 最初は近くて低い山に挑戦すれば良い。関東で言えば、高尾山などは最適だ。

 山に登らない日でも、家の近くでウォーキングなどをして鍛える。室内では最近流行のステッパーなどを使うのもよい。雨の日などは、デパートの下から最上階までを階段で上り下りする手もある。

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 現在、日本人の登山愛好家は1000万人に達すると言われる。中高年が中心だが、山では若い人や子供に出会うことも少なくない。

 在日同胞の場合は1万人ほどと見込んでいる。まだ高齢者の割合が高い。若い人たちももっと山に興味を持ってほしい。

 在日本朝鮮人登山協会では1995年の結成以来、乗鞍、大雪山、久住山、日光・白根山、伊吹山に登ってきた。健康を増進するとともに、思想や所属団体に関係なく同胞同士の親ぼくを深めるのが大きな目的だ。参加者も徐々に増えてきている。今年は天城山に行く。

 日本の山だけでなく、南北の有名な山に登るのが目標だ。そして、エベレストなど世界の有名な山にも登れる人材を育てて行きたい。 (談、文責編集部)

在日同胞大登山の集い/今年は伊豆の天城山

 今年も在日本朝鮮人登山協会主催の在日同胞大登山の集いが行われる。第六回目は伊豆の天城山。概要は以下のとおり。

●日時 11月12日(日)〜13日(月)の1泊2日。12日は天城山登山、夜は伊東ホテル聚楽で宴会、宿泊。13日は河津七滝、浄連の滝散策、伊豆半島巡遊、帰路。地域に応じてA〜C組で参加方法が異なる。

●参加費 A組26000円(1人当)、B組25000円(同)、C組17000円(同)。

 ※参加希望者は氏名、性別、年齢、住所、電話番号を個別または集団で明記の上、登山協会(東京都文京区白山4―33―14、рO3・3816・4357、ファクス03・3812・2896)まで送る。最終締切日は10月20日。朝銀東京信用組合本店(普)1072831登山協会まで。全額先納。

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