山で元気
北向地蔵(380メートル、埼玉県)
土手一体に100万本の曼珠沙華
まんじゅしゃげ
「東京板橋健脚会9月の奥武蔵伊豆が丘登山」の日は、前日から雨が降り続いていた。
台風17号の影響で関東地方に大雨洪水警報が出されていて、ほとんどの人が至極当然「雨天中止」を決め込んでいたが、それでも集合場所の西武池袋駅には雨風いとわぬ「雨天決行」組5人が集まった。車中で練馬トラジ会の3人と出会い行動を共にすることにし、予定を変えて高麗郷巾着田の曼珠沙華(まんじゅしゃげ)群生地を訪ねることにした。 武蔵横手駅から北向地蔵を経て高麗丘陵を下る奥武蔵自然遊歩道は歩き慣れたコースで、雨衣を着け、傘を差してそぼ降る小雨の山道を歩いた。暑くもなく、ほおをなでるそよ風に涼を感じながらの、行き交う人もない静かな山歩きも乙なものである。 練馬トラジ登山会は長い歴史があり、毎月欠かさずこんにちまで200回近い山行を重ねている。去年の夏は野地温泉に2泊して安達太良、東吾妻登山を行い、今夏は「十和田湖・八甲田・白神山地・山内丸山の旅」2泊3日のバス旅行(20余人参加)を行った。 巾着田はU字型に蛇行する高麗川に囲まれた円形の水田。渡来人がもたらした水利、水稲技術の古に思いをはせながら清流沿いに憩った。土手一帯に100万本の曼珠沙華が広がっている。 雨の思い出多い夏だった。 両首脳の歴史的握手に感動した翌日、谷川岳一ノ倉沢に幕営した日も雨だった。翌日の晴れ間、芝倉沢から茂倉岳へ雪渓を登り、稜線を北へたどる10時間の歩きには暑さでダウン、蓬峠でビバーク。上州妙義山は、雨降りしきるなかを歩き通した。
7月、奥武蔵蕨山では山頂で突然、土砂降りのにわか雨に見舞われた。それでも雨後の山歩きはさわやかで、それなりに趣のあるものだった。箱根の足利山、屏風山登山。女性たちの山形鳥海山…。それぞれに楽しい思い出の残る健脚会の夏山だった。もう秋。(東京板橋健脚会・李福権) 【山行アドバイス】コースの要所に標識もあり、急な登りもなく歩き易い。 |