健康事件簿


がん治療女性患者に抗ガン剤の副作用

 米ハーバード大学などはがん治療を受けた女性が抗がん剤などの副作用で閉経する仕組みを解明した。抗がん剤が特定の酵素を働かして卵巣に障害を与えていた。

 がん治療を受けた女性は抗がん剤や放射線治療によって卵巣が障害を受け、卵細胞が作れなくなって閉経し、がんを克服しても妊娠できないケースがある。

 同大学の森田豊講師らは抗がん剤と併用して閉経を防ぐ薬として、動物実験を重ねて効果が確認されれば、臨床試験に入りたいとしている。(日本経済新聞2日付)

免疫力指標「NK活性」強弱で発がん率に差


 生体の免疫力の指標の1つである「NK活性」が強い人と弱い人では、がんになる率に2倍近くの差が出ることが、埼玉県立がんセンター研究所の中地敏さん(がん分子疫学)らの研究で分かった。免疫力の個人差と発がんリスクとの関係を、一般人の追跡調査で実証したのは世界で初めてという。

 NK細胞は、がん細胞や感染細胞などを殺す性質をもつことで知られる。

 中畑さんは「緑黄色野菜の摂取や適度な運動でNK活性を高めることががん予防につながる」と話している。 (毎日新聞1日付)

卵アレルギーなど血液検査は無意味か?

 血液検査で卵や牛乳のアレルギーとされた子供の約四割が、実際にはこれらのアレルギーと無関係であることが、帝京大学医学部の伊東繁教授らの研究でわかった。

 アトピーの乳幼児の血液検査では、卵白や牛乳などに対する抗体が見つかることが多い。伊東教授は「アトピーと食物アレルギーを短絡的に結びつける傾向があるが、健康児でも抗体が見つかることがある。抗体だけでアレルギーだとは判断できない」と指摘する。

 日本では、保険がきかないことや手間がかかることなどから、ほとんど血液検査に頼っているという。(朝日新聞2日付)

透析患者、福岡C型肝炎に院内感染か

 福岡市は2日、透析専門病院「重松クリニック」で、透析患者5人がC型肝炎に感染したと発表した。市は院内感染とみているが、感染の時期や経路は不明。市は専門家による「院内感染対策検討委員会」を設置。立ち入り調査などで感染源の特定を急ぐとともに、市内の全医療機関に院内感染防止策の徹底を求める。5人に肝炎の症状はなく、肝機能異常を示す数値も改善に向かっているという。

 市によると、5人はいずれも同じ透析室で週2、3回、同じ曜日、同じ時間帯に透析を受けていた。(朝日新聞3日付)

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