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朝鮮半島なんでも初めて

済州島

漢拏山が造り出した火山島 


 六月十五日に発表された歴史的な南北共同宣言の実現に向け、閣僚級会談を始めとした各種の会談が活発に開かれている。

 これまで南北間の会談といえば平壌、ソウル、板門店がその舞台となってきたが、今回新しい舞台としてクローズアップされているのが朝鮮半島の最南端、済州島である。

古代には耽羅国、独特の民俗 文化

 在日同胞社会でも、済州島出身者は慶尚道と並んで多い。今回はその済州島を取り上げる。

 済州島は、朝鮮半島の最高峰、漢拏山(1950メートル)が造り出した火山島である。朝鮮半島南方の海上80キロに位置し、総面積は1840平方キロメートル。

 一島で道をなし、道庁所在地は済州市である。自然環境は火山島だけに、標高600メートル程度までは名産のミカンなどの栽培と牛馬の放牧に利用され、それ以上は温帯林(1400メートル)、針葉樹林(1700メートル)、そして溶岩原に分かれている。

 別名、三多島(石、風、女性が多い。女性が多いというのは外での活動が活発という意味)とも呼ばれる。

 古代には耽羅国が成立し、朝鮮半島本土とは異なる独特の民俗、文化が発展し、神話・説話が今も伝えられている。

 高麗朝(918〜1392年)によって併合され以降、その政治、文化的影響を強く受けるようになった。

 13世紀、1231〜59年にモンゴル(元)が侵入してきた際には、高麗が制圧されたにもかかわらず三別抄部隊が立ち上がり、全羅道・珍島、そして済州島を拠点にして徹底抗戦した。

 また解放後、1948年に南朝鮮での単独選挙に反対する4・3闘争に島民が蜂起し、8万人以上の死傷者を出す過酷な弾圧にも関わらず戦い抜いた事は現代史に特記される出来事であった。その真相の究明が近年、活発に行われている。

 また、南端に位置することから、歴代政権が観光地としての開発を進め、その利権を巡る噂も絶えなかったが、今では新婚旅行のメッカとなっている。

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