朝米共同コミュニケに関する
米国務省の記者会見(要旨)

クリントン大統領が訪朝

総書記の親書
関係改善へのビジョン記す


 米国務省のオルブライト国務長官は12日、ワシントンで、朝米共同コミュニケ発表と関連して記者会見を開いた。記者との質疑応答の要旨は次のとおり。(国務長官は時間の関係上、途中でシャーマン対朝鮮政策調整官と交替した)

―訪朝する大統領はクリントン大統領なのか。またその時期は。

 国務長官 私には次期大統領に代わって発言する権限はない。したがって、答はイエス(クリントン大統領)だ。私は今月末までに訪朝するつもりであり、その次がクリントン大統領だ。大統領は訪朝を希望していると思う。私たちはその実現に向け一生懸命に努力し、われわれが主要な懸案について重大な前進をもたらすことができれば、大統領の訪朝は実現するだろう。しかし、まだ訪問日程は決まっていない。

―今会談の最も大きな成果、重要な成果は。

 調整官(以下すべて) 2日間の会談は、ペリー前対朝鮮政策調整官が検討した政策の継続過程と言える。われわれはこの政策目標を引き続き追求している。また今会談の結果、国務長官が訪朝し、大統領の訪朝可能性を準備してくることになった。

―食糧の追加援助を計画、または約束したのか。

 米国は国連・世界食糧計画(WFP)のアピールに寛大に応じてきた。飢える人がいる度にそうしてきたし、朝鮮に対しても引き続きそうするだろう。

―連絡事務所の開設は。

 われわれは、外交代表部(diplomatic representation)の開設問題について論議した。この論議で若干の前進を成し遂げたと感じており、前進が今後も続くものとみなしている。

―朝鮮のテロ支援国指定解除の問題は。

 この間の協議はとても肯定的だった。その結果として6日、この問題と関連した共同声明が発表された。しかし、大統領がテロ支援国リストから朝鮮を削除する手続きをするためには、朝鮮側が取るべき一部の措置がまだ残っており、朝鮮側はこれについて知っている。われわれはこの問題が引き続き前進していくことを望んでいる。テロ支援国リストからの削除が実現しない場合、われわれは、国際的な金融機構への朝鮮の加入を支持できなくなるだろうし、少なくとも米国が参与している多国間支援のための経済的なドアは閉じたままになるだろう。

―敵対終息宣言に従い、休戦ライン沿いの朝鮮人民軍の配備見直しを求めたか。

 共同コミュニケにより、日韓両国などの同盟国と地域、また全世界の安保同盟関係には何の変化もないことを明らかにしたい。また、この問題と関連しては南北朝鮮間の国防相会談で軍事的な信頼構築措置と朝鮮半島の緊張緩和に関する論議が始まっている。こうした努力は米軍と地域の安保にも好ましいことなので、最大限支援するつもりだ。

―南北朝鮮間の鉄道を連結するための地雷除去作業を米国は支援するのか。

 国連軍司令官としての駐韓米軍司令官が、停戦協定の枠内で地雷を除去する方法に関する作戦協議を行っている最中だ。協議は順調で、米軍は南北の鉄道連結の努力を支援するために適切な役割を果たすだろう。

―朝米間の外交関係正常化の現状は。

 われわれはペリー報告書で、われわれの憂慮が解消されるのに従い両国関係正常化の手続きを加速化させることを希望していると明らかにしたし、その憂慮事項についても示した。関係正常化は段階的な過程だ。国務長官の訪朝も段階の1つだ。しかし、米国が深刻に憂慮する分野でより大きな前進があるよう、引き続き注視する必要がある。

―朝鮮は、領土保全に関する安全が保証される場合、すぐにでも国交正常化したいというが。

 彼らは、われわれが彼らの主権と生存権などを認定、保証するよう求めた。われわれはこの話し合いの内容をもっと検討するつもりだ。国務長官が訪朝したら、趙明禄次帥だけでなく金正日総書記と直接会うことまで含め、追加的な対話を行う予定だ。

 金正日総書記がプーチン・ロシア大統領に明かしたミサイル提案について。

 われわれの論議の内容からみて、この(条件付きミサイル開発中止の)構想が妥当性を持っていると信じている。今後の協議に期待している。

―金正日総書記の親書の内容は。

 詳細な内容は明らかにできないが、特使について紹介すると共に、両国の関係改善に関する希望とビジョンが記されている。

―核凍結に関する基本合意履行の透明性は。

 われわれは基本合意に従い、問題となっている場所を24時間監視している。監視は国際原子力機関(IAEA)が行っている。今回の共同コミュニケでも、金倉里施設への接近が、われわれが引き続き論議しようという透明性の問題のモデルとなっていることを認めた。われわれは、金倉里のケースが今後も発生しうるいかなる憂慮を論議するためのいいモデルになるとみなしている。

―大統領訪朝の可能性と関連し、朝鮮側に特定の条件を提示したか。

 国務長官は、この間の議論とこれまでの議論を双方が互いに信用し、積み重ねていくことが最善であり、それによって、米国がとくに関心を示す問題のいくつかにおいて重大な進展がもたらされるだろうと考えている。さらに、こうした段階的な過程を経ることが朝米首脳会談につながると考えており、このような首脳会談を目指している。大統領もわれわれがこれを実現できるよう望んでる。

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