春・夏・秋・冬

 今年の米大統領選挙は、まれにみる接戦。読者がこの欄を読む頃には、結果が判明しているだろうが、今回ほど米大統領選挙の行方に関心を持ったことはない。もちろん、対朝鮮政策のからみで

▼米ホワイトハウスのシーワート報道官が6日、クリントン大統領が訪朝するかどうかは数週間以内に決めると語った。同時に「大統領は以前から(訪朝を)望んでいた」と述べ、ミサイル問題の解決や、大量破壊兵器の拡散防止に貢献できるなら、大統領は喜んで訪朝するだろうとの見通しを示した。選挙結果に関わらず、クリントン大統領の訪朝は既定事実となっていると思われる

▼要は、誰が当選するかである。ゴア候補が当選すれば当然、政策を踏襲するから問題ないが、ブッシュ候補が当選した場合、果たしてクリントン大統領が次期大統領と協議せずに「敵国訪問」という歴史的決断を行えるかどうかだ

▼大方の予想では、ブッシュ候補が当選しても、現在のペリープロセスを継承すると言われている。それは筆者も同じ考えだ。ブッシュ陣営の外交・安保の参謀と言われているアーミテージ元国防次官補が作成した報告書「チーム・B」は、ペリー報告書となんら変わりないと指摘されているし、94年の朝米基本合意文も、ブッシュ前大統領と共和党が推進してきた政策だったからだ

▼そして、いちばん重要なことは、米国にとって現在の対朝鮮政策がベストではないが、ベターで、それしか選択肢がないという事実。朝米関係改善は、多少の時間がかかるかもしれないが、もはや後戻りできないのだ。(元)

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