暮らしの周辺

生活を変えよう


 科学の発達が人間の生活を豊かにしてきた。同時に、自然や環境を汚染・破壊し、人間の体をむしばみ、種の保存をも脅かし始めた。しかし、だからと言って、今さら電気も化学製品もない生活に戻ることは容易ではない。「豊かさ」を享受するかわりに弊害をこのまま甘受するのは、人間と地球の破滅を招きかねない。とすれば、科学に責任を取ってもらうしかない。つまり、科学のもたらした害毒を科学の力によって解毒し、無害化する人間のたゆみない努力に望みをかけるしかないのだ。

 希望はなくはない。最近の新聞から環境問題に関する記事の見出しを抜き出してみよう。「廃プラスチック 熱処理技術でリサイクル」「発泡スチロール5分で原料に」「脱ガソリン競うメーカー」「ごみ焼却灰や土壌を高温でガス化溶解」「竹からできたプラスチック」「植物からクリーン燃料」「太陽電池ぐんぐん」…。新技術が思いもよらぬ問題を起こすこともあろう。しかし、無闇に科学技術を発達させた時代から、地球と共存する環境科学の時代へと確実に移行している。人間の英知が人間の未来の運命を決定するのだ。

 科学者だけに任せておくわけにはいかない。ゴミの分別・リサイクル、化学製品の不使用、資源節約、節水・節電、消費生活の見直しなど、すぐにできることは多い。個々人の努力が集積されれば、大きな力となる。まずは価値観の改革から始めよう。そこからきっと希望と展望は生まれてくるはずだ。(趙)

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