BOOK/新刊から


☆「新装版 朝鮮語読本」崔寛益著

 ウリマルを基本から会話まで体系的に学べる最適のテキスト。日常会話がひと通りできるよう編集されており、演習用として例文を多数並べているのが特徴。付録の「辞書の引き方」「表記上の南北の違いについて」などは学習の参考になる。

 著者が指摘しているように、第1編、2編をじっくり時間を掛けて練習、マスターすることにつとめ、よく分からない箇所があれば第3編の該当する部分で確認するという方法が望ましい。

 また、興味のある部分から拾って学習するのもひとつの方法だ。(彩流社、1900円+税)

☆「奈良のなかの朝鮮」朴鐘鳴著

 好評の「歩いて知る朝鮮と日本の歴史」シリーズの4冊目。5世紀後半から6世紀にかけて奈良地方を中心に、新しい文化、技術の担い手たちが続々と朝鮮から渡日し、政治、経済、文化のすべての面で強い影響を与えた。日本の飛鳥文化もこれらの影響下で開花発展した。

  また7世紀中葉、高句麗や百済の渡来人たちは奈良時代全般にわたって活躍し、日本の天平文化の基本的な担い手となってゆく。

  本書は、その歴史的な痕跡を人や遺跡、そして遺称などの文や写真、地図などを入れながらわかりやすく解説している。(明石書店、1600円+税)

☆「韓国のガンジー咸錫憲の基本思想」゙亨均・訳注

 1970年代、朴正煕独裁政権下で民主化闘争の先頭に立ち、宗教家、知識人だけでなく、広く一般民衆からも愛された咸錫憲(1901〜89年)の遺作を編集したもの。

  植民地時代、分断時代の過酷な環境の中でも、20巻の全集と多くの未発表の言葉(テープ)を残した咸氏の思想を一言で要約すれば、それは「シアル(種子)」の思想である。

  「今は、口を利けなかった歴史の驢馬(ろば)である民衆が口を利く時代ではないのか」。統一へと向かう民衆の心を理解するうえで、ぜひ一読を。(伯栽文化社、問い合わせ=03・3729・6158)

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