春・夏・秋・冬

 全国選手権大会府予選優勝という快挙を成し遂げた大阪朝高サッカー部。すでに昨夏、高校総体に出場し強豪・帝京高校とPK戦の末、惜敗したことは記憶に新しい。在日同胞史に新たな一ページを飾る出来事だ

▼スポーツ分野における朝高の活躍はめざましい。愛知もベスト4に入り、ラグビーでは大阪は準決勝で敗退したものの、東京は十九日の決勝戦に駒を進めた。ボクシングは「強豪」に数えられて久しいし、スーパーフライ級世界チャンピオン(洪昌守=東京朝高OB)を輩出した

▼長らく「1条校」の厚い壁に阻まれ、全国大会出場の道を閉ざされてきたが、かつてサッカー界では「幻の強豪」と呼ばれた。日本の各チームが、実力培養のために先を争って在日朝鮮蹴球団などとの試合を希望したという話は有名だ

▼当時の朝大サッカー部OBによると、メキシコ五輪で銅メダルを獲得した日本サッカーチームの代表プレイヤーの1人が学生時代、「日本選手権を勝ち抜くことよりも朝大に勝つことの方が難しい」ともらしていたことを耳にしたことがあるという

▼現在、Jリーグには数人の朝高出身選手がいると聞く。プロ野球界は日本で初めて完全試合を達成した「藤本英雄」や唯一、3000本安打を記録している「張本」、そして今年のセ・リーグ首位打者の「金城」など、その活躍を抜きには歴史を語れない。ゴルフ、相撲もしかり

▼本意ならず、日本名でのプレーを余儀なくされてきたが、洪昌守やJリーガーら、今は壁をはねのけ本名で堂々と活躍する選手も。民族教育の結実である。(彦)

日本語版TOPページ

 

会談の関連記事