脱サラで焼肉店開業 金鮮哲さんに教わる
キムチ鍋でポッカポカ
暦ははや立冬。寒さが日増しに厳しくなる時期です。そんな時は身も心も暖まるキムチチゲ(鍋)料理はいかがでしょうか。東京都足立区谷在家で焼肉店を営む金鮮哲さん(55)に手軽に出来る「朝鮮の味」を紹介してもらいました。簡単で栄養もタップリ。汗を出しながらフーフー食べましょう。(粉)
手軽で栄養たっぷり/愛情というスパイスで 金さんは5年前に脱サラして、妻の李瓊子さんと長年の夢を実らせて焼肉店「千里」をオープンさせました。店内には祖国の美しい絵や「ブランコに乗る乙女」の刺しゅう画、民芸品が掛かっています。「小さい時、家が貧しくて腹一杯食べるのが夢だった。その頃、日本の学校に通っていて、美術館での野外授業に、お金がなくて行けず悔しい思いをしました。だから将来は『飯屋』か『先生』になりたかった。例えお金がない生徒がいても一緒に連れていってやれる思いやりのある先生になりたいと思っていました」と金さん。 先生になる夢は2年前、長男が朝鮮学校の教員になって、代わりに叶えてくれましたとにっこり話す。 そんな秘話を持つ金さんの料理は愛情というスパイスがいっぱい。とくに肉料理は素材から厳選しているので遠くから駆けつける熱烈ファンもいます。 「朝鮮ではキムチの発酵が進んで酸っぱくなると、煮たり、いためたりたりして食べるのが普通です」 まずはキムチチゲ。キムチひとつかみ、カルビ肉(豚ばら肉でもよい)200グラム、生たら2切れ、とうふ1丁、ぜんまい50グラム、もやし50グラム、しいたけ3枚、人参半本、長ネギ半本、ニラと春菊は適量、卵1個、塩、しょうゆ、ニンニク、コショウ(材料は4人前)。ボウルに肉としょうゆ、酒を入れ、しっかりもみこむ。 鍋にスープ、にんにく、コチュジャン、味の素を少々入れて、煮立たせる。ムンチした肉、生たらを入れ、塩、しょうゆで味付けし、中火にする。しばらくして、キムチ、人参、しいたけ、卵をいれ、野菜が柔らかくなったところで、味付きのぜんまい、もやし、とうふを入れる。食べる直前に春菊、にら、長ネギを添える。 「鍋は自己流で味付けするのがいいでしょう。みそを入れてもいいし、辛いのが好きだという人はキムチの量を多めにすればいいと思います」 ところで、朝鮮の家庭料理にはキムチが欠かせない。金さんによれば、鍋料理には本物のキムチを使うのがポイント。辛さだけでなく、発酵したキムチが断然おいしいと言います。日本産の発酵を弱めて、酸味を抑えた「キムチもどき」では、やはりこの味は出せないのでしょう。ちなみに金さん自慢のキムチは梨、リンゴ、水飴、塩からが入った秘伝の味。(千里=рO3―3856―8929) ◇ ◇ 【キムチチャーハン調理法】 |