三木睦子 新作きもの展
朝鮮刺繍でよみがえった平安美人
朝・日の伝統美を融合
悠久の時を経て、いにしえより脈々と伝えられてきた朝鮮の刺繍(ししゅう)と日本の染めの技術。朝鮮半島と日本が誇る世界最高峰の伝統美が、三木睦子さんのデザインによってこのほど、日本の着物の中で見事に融合され、新しい命を吹き込まれた。11月下旬、東京・渋谷の三木武夫記念館で開かれた「伊勢物語の世界」と題する「三木睦子 新作きもの展」をのぞいて見た。(朴日粉記者) 華麗な「伊勢物語」の世界 三木さんがデザインした着物は3点。朝華(株式会社マンギョンボン商事=文斗萬社長)の依頼を引き受けて、製作されたもの。三木さんは「李朝時代の刺繍展を数年前に見て以来、そのたおやかな幽玄な美しさに引かれてきました。この素晴らしい技術と日本の染めを何とか出会わせて、着物にしたいと思っていました」と初めてデザインを手掛けたきっかけを語った。 着物のテーマを「昔、男ありけり」で始まる伊勢物語から引いたのは、三木さんが友人たちと長年この物語の勉強会を開いてきたため。多忙極まりない暮らしの中で、優美さを失うことなく凛(りん)とした姿勢を貫く三木さんの日常を伺い知ることができよう。 「怒りだすと私はキリがなくて、親戚のものが私を『大久保彦子』さんと呼ぶのですが(笑)…」と語るほど、昨今の政治社会問題に警鐘を鳴らし続ける。 とりわけ、朝鮮の統一問題については深い関心を寄せ、献身してきた。92年に続き、金日成主席逝去直前の94年に主席と会見した三木さんは主席の朝鮮統一への信念と情熱に心から感銘を受け、その後も信義と誠意を尽くして日朝の国交正常化に尽力してきた。こんどの「新作きもの」のデザインもこうした活動の一環であり、伝統文化に深い素養を持つ三木さんならではの「スーパーレディー」ぶりを示すもの。 問い合わせ=株式会社マンギョンボン商事(MGB)。рO6・6413・2143。 |