東京・荒川のパッチワークサークル
先月「10年展」
36人・180余展が会場飾る
女性同盟荒川支部のオモニたちが、互いのきずなを深めハッキョ運営の助けになればと、1991年1月、バザーへの出品を目的に結成したパッチワークサークル。11月19日、東京都荒川区のムーブ町屋で「パッチワークサークル10年展―キルトに綴るオモニたちの歩み1991〜2000」を開き、250人を超える同胞、日本市民が訪れた。企画から裏方まですべてオモニたちの「手作り展示会」は、これまでの活動を集大成する場となった。 楽しさ共有するきずな/学校バザーに作品提供 「空いた時間を有意義に活用したい。それほど難しくなく、そして時間も取らず主婦業の合間にできるものを」――そんなオモニたちの要望で始まったパッチワークサークル。だから出発当初は月1回集まり、1年間で1つの作品を完成させて解散する予定だった。 しかしいざ始めてみると、オモニたちは何もかも忘れて没頭することのできるパッチワークの魅力に取り付かれてしまった。 月1回が月2回になり、仕事や家庭の事情で昼間の集まりに出られないオモニたちの間から、「夜も参加できないか」という声が出て、夜の部(町屋分会で月1回開催)も設けられた。 30代から60代まで常時10〜20人のメンバーが集う。子供のこと、ウリハッキョのことなどおしゃべりを楽しみながら針を動かす。参加者同士のきずなを深める場となってきた。 手作りのテキストでサークルの指導にあたってきた講師の文英姫さん(53)は、「この10年で参加者たちは姑や、母親に。作品はオモニたちの歴史そのものです」と振り返る。 サークルの魅力をあるオモニは、「同胞の温かさに触れられること。日本のカルチャースクールに通っていたが、その時よりも気がねなく参加できる」と語る。 19日の展示会当日、36人、180余点の作品が会場を飾った。 正面に飾られた団体作「10周年を記念して」は、今年初めから準備してきた大作だ。アップリケで模様を載せていく「ボルチモア」という手法で、各自が作ったパーツをつなぐ。最後のパーツは当日の朝ぎりぎりに縫い合わせたという。 メンバーの1人、金貞秀さん(44)は「大変だったけど今はやり遂げたという達成感で一杯です」と満足そうに語る。 日暮里から来た藤田千枝子さん(49)は、「プロ顔負けの腕前。一針一針にお母さんたちの学校を、子供たちを思う気持ちが込められていた」と感想を述べた。 「(今回の展示会をきっかけに)今度は大作にチャレンジしたい」と、オモニたちは口をそろえて語った。(李明花記者) |