取材ノート

「われらの願い」かなう日


 「われらの願いは統一、夢にも願いは統一」

 2日、都内で行われた林秀ンpさんの講演会。最後に、林さん自身の音頭でこのフレーズで始まる「われらの願い」の大合唱となった。

  講演を聞きにきた見知らぬ他人どうしが肩を組み、手を握り合い歌う姿は感動的だった。

 1989年、林さんは平壌で開かれた世界青年学生祭典に南の学生代表として参加するため訪北した。南の唱歌であるこの歌を、北の人々に広めたのは彼女だった。

 その直後に祖国を訪問した際、私は白頭山の頂上で出会った現地の人々と共にこの歌を歌った。在カナダ僑胞も合流した。その場にいたみんなが1つになれた気がした。

 そして今年6月、北と南の最高指導者が手を取り合い、この歌を歌う映像が世界中に流れた。

 「本当にそんな日が来るのかと思ったこともあった。けれどもう夢ではない。まさにある日ふと目を開けてみると、テレビの画面に手を取り合って『われらの願い』を歌う南と北の2人の指導者がいた」

 林さん自身、雑誌への寄稿文でこう心境を書いている。

 まさに、北南首脳会談以降、朝鮮半島ではこれまで夢としか思えなかった出来事が相次いでいる。在日同胞社会ひとつを見ても、総聯故郷訪問団の実現など、ほんの少し前までは考えられなかったことだ。

 そして今は、統一も夢ではなく現実なのだと感じる。

 講演会で林さんは、「われらの願いが統一でない日が訪れることを望みます」と語った。その日が近づいている。(文聖姫記者)

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