春夏秋冬


 JRのプラットホームの片隅の喫煙指定場所で、何人かが固まってたばこを吸っている姿をよく見かける。公共空間での禁煙化が広がっているが、スモーカーにとってはますます冬の時代がやってきそうだ

▼日本航空と全日本空輸は4月から国際線の運送約款を改定し、機内での喫煙を「迷惑行為」と規定し、常習犯の搭乗を拒否したり、喫煙を止めない乗客を経由地で降ろすなどの「強硬策」を取れるようにした。運輸省が8日、許可を通知したもの。トイレや通路でこっそり一服するなど禁煙破りが後を絶たないからだ。両社は今後、国内線も改定するという

▼たばこが、がんをはじめ脳血管疾患、歯周疾患など多くの疾患だけでなく流・早産など妊娠に関連した異常の危険因子であることは広く知られている。喫煙者のたばこ煙による受動喫煙も様々な疾患の危険因子である。このため欧米先進国では、国民の喫煙率や1人当りのたばこ消費量は年々、低下傾向にある

▼反対に日本では近年、若い女性や未成年者の間で喫煙率が上昇し、1人当りの消費量も先進国の中では最も多い。日本たばこ産業株式会社の99年の調査によると、20代女性の喫煙率はこの30年間に3倍増という。未成年者の喫煙も問題だ。国立公衆衛生院による96年調査では、毎日喫煙者は高校3年生男子で25.4%、女子では7.1%に達している

▼健康への害は承知していても、たばこに含まれるニコチンに依存性があるため禁煙はなかなか難しい。筆者はたばこを吸わないが、読者の中で禁煙体験があれば、同胞の健康のため広く紹介したい。 (喜)