春夏秋冬


 本紙でもたびたび取り上げてきたが、南朝鮮で市民たちが中心になり、4月の総選挙立候補予定者の資質を問う活動が活発に繰り広げられている。政治家として不適任だと判断した人物の立候補の取り止め勧告と、それでも出馬した場合、落選運動を展開していくことを決めている

▼金鍾泌(前総理)を初め、許文道(元文公部長官)ら、権勢をふるった大物議員がリストアップされている。この運動の影響なのか、野党ハンナラ党は、「政界重鎮」の金潤煥議員を公認候補からはずした。金泳三時代に総理候補として名前がたびたび上がったマスコミ界出身の人物である

▼名前を上げたこの3人、共通しているのは日本との「関係改善」、「構築」、「強化」に暗躍した点である。金鍾泌は安企部の前身、KCIA部長だった62年に朴正煕の密使として来日し、植民地支配の清算なき「カネによる過去の清算」を日本側と取りまとめた。そして、「日韓ゆ着」という悪しき関係のレールを敷いた

▼留学生の肩書で訪日していた許文道は、79年の粛軍クーデターで軍を支配し、80年5月に血の光州弾圧を行って政権を握った、全斗煥の意を受けて対日言論工作の先頭に立った。金潤煥は、盧泰愚時代に頭角を表し、「韓日議員連盟」会長に上り詰め、対日政治工作を陣頭で指揮した

▼対日関係工作に当たった大物たちが、よりにもよって市民たちによって直接、指弾される時代になろうとは、偶然なのだろうか、歴史の必然なのだろうか。ただいえることは、いくら隠し繕おうとしても、真実は消えてなくならないということだ。  (彦)