趣味を楽しむ

陶  芸
東京の慶光子さん(48)


心落ち着き、「無の境地」に

 東京・中央江東支部辰巳分会の新年会がさる5日、新築した呉昌珍さんの自宅で行われた。2階に上がる階段の踊り場に湯のみが2つ飾られていて、ひときわ同胞らの目を引いた。夫人の慶光子さん(48)が趣味の陶芸で作った、「黒天目釉(くろてんもくゆう)そば釉2重掛け湯のみ」だ。釉薬が2重に掛かった部分が重厚な趣を出している。陶芸を始めたのは昨年10月から。これが最初の作品。

 もともと陶器が好きで、いつかは自分の手で作って、使ったり飾ってみたいと思っていた。なかなか生活サイクルに合った教室がなかったが、今、通っている陶芸教室は家から近く、時間も自由に選べるので決めた。

 まず練られた粘土を縄状にして1本1本積み上げ、境目がないように処理しながら形をとり、1週間ほど乾かした後、かんなで薄く削りとってさらに形を整える。そして素焼きをし、釉薬をかけ、電気窯で1250度の高温で本焼き。

 形作りをしっかりしなければ焼くと歪んでしまう。これをマスターするのに2年はかかる。形や模様、絵など作品に自分の意思が出せるようになれば一人前だが、5〜6年はかかるといわれている。

 それでも慶さんは、「陶芸の魅力は、土を触っていると自然と心が落ち着くことです。少しずつ形が整っていくと何もかも忘れて没頭することが出来ます。まさに『無の境地』です。自分で作ったものが作品として残るのが嬉しい」と陶芸の魅力を語る。

 今、作っている茶碗はルリ釉を使う予定で、出来上がりが楽しみだ。

(同胞の色々な趣味に関する原稿を募集します。詳しくは「健康・趣味」担当係までご連絡を)