花粉症Q&A/早めに予防対策
基本は花粉避けること
花粉症に悩まされる人が増えている。東京都が96年に行った調査によると、都民の5人に1人がスギ花粉症という。在日同胞も例外ではないだろう。科学技術庁によると、今年の花粉は平年より飛散が少なかった昨年に比べると量は5倍以上に急増する見込みという。花粉症についてQ&A方式でまとめた。発症のメカニズムを知って早めの予防対策を。
外出時にはマスクやメガネを
日常生活を規則正しく−酒・タバコは控えめに
Q 花粉症とはどんな病気か。
A スギやハンノキ、ヒノキ、シラカンバなどある特定の花粉が目に入ったり、鼻から吸い込まれたりして起こるアレルギー症状を花粉症という。
Q 近くにスギ林がなくてもスギ花粉症になるのはなぜか。
A スギの花粉は非常に小さいため風に乗って数10キロから、時には100キロ以上も飛んで行く。東京の都心にはスギ林はないが、多摩地区にはスギ林が広がっている。また関東地方では山沿いを中心に広大なスギ林があり、その面積は森林面積の20%にもなる。
Q スギ花粉が飛ぶ季節が過ぎても症状が残るのは。
A スギ花粉症の人は、ヒノキの花粉でも同じような症状が出ることがよくある。これはヒノキ花粉にもアレルギーを引起す物質があり、それがスギ花粉のものと似た構造をしているからだ。ヒノキ花粉は、スギよりも1ヵ月ほど遅れて飛び始め、スギ花粉の少なくなる3月下旬から4月に多くなる。
●スギ花粉前線●
Q 花粉はいつ頃多く飛ぶのか。
A スギやヒノキの花粉が飛ぶ時期は、東京では1月末から5月初めだが、とくに3月に花粉の量が多くなっている。
日本列島でスギの花粉が初めに観測されるのは九州や東海地方で、平均すると2月上旬だ。北陸や東北地方では3月上旬から中旬になる。
東京都衛生局発行のパンフ
「花粉一口メモ」より
Q 花粉症の季節以外に注意することは。
A まず日常の生活を規則正しくすることだ。そして花粉のシーズンに備えて体を鍛えておこう。抵抗力を高めておくために、外気浴や乾布まさつ、水泳、体操、ジョギングなどが有効だ。
また普段から偏食しないこと、十分な睡眠をとって疲労やストレスを溜めないこと、風邪などひかないように心掛けることが大事だ。
過労や精神的なストレスはアレルギー症状の現れるきっかけになったり、症状をさらに悪化させる。
また風邪をひくと鼻の粘膜がいっそう弱くなり、症状が悪化しやすくなるからだ。
酒やタバコも出来るだけ控え目に。
Q 花粉症は治らないのか。
A アレルギー性鼻炎の根本的な治療法として古くから行われているものに減感作療法がある。これはスギ花粉から抽出されたアレルギーの原因となる物質を数ヵ月から数年間続けて注射することによりアレルギーの反応を根本的に起こさなくする治療法だ。毎年、症状のひどい人は医師に相談すると良い。
症状出る前から治療を
西新井病院薬剤課 夫奉孝さんのアドバイス
花粉症の原因と考えられる花粉は色々ありますが、日本では、圧倒的に多いのがスギの花粉です。
そのため花粉が飛散する春先(平年は2月下旬、今年は2月上旬)に症状が現れます。
花粉はまず鼻の粘膜や目に接触するため、目のかゆみ、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの典型的な症状が現れます。
花粉と接触しないようにマスクやメガネなどの防衛策をとることも有効な手段です。
しかし、空気中の花粉を完全に遮断することは不可能なことです。薬物治療においては、近年症状が出る前にそれを抑える予防的治療が中心となっています。ですから、症状が出る1〜2週間前から治療を始めることは、大切なことだと思います。