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小企業の初任給伸びる


 労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、昨年の大卒新入社員の初任給は、規模の小さい企業(従業員10〜99人)が大企業(同1000人以上)を上回った。対前年比伸び率も、大企業が1%前後なのに対し、小企業は2%を超えた。

 さくら総研によると、これは1977年の調査開始以来、初めてのことだという。同総研は背景について、雇用コスト削減圧力が強い大企業で新卒採用および初任給が抑制される一方、労働需要が比較的堅調なサービス業の割合が高い小企業では、初任給が堅調に推移したと指摘。中途採用や人材派遣の活用の広がりなどにも言及している。

 就職氷河期という言葉が使われ出して久しいが、企業年金危機や終身雇用制の衰退と合わせて、給与面でも大企業で働くメリットが薄れていると言える。こうした現象が進めば、就業に対する学生などの意識にも影響を与えそうだ。

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